クリスマスは夫と二人でスパ三昧、ということでmagmaへ。ここはいつもお世話になっている(大口クライアント様の)テイクアンドギヴ・ニーズさん経営のスパ。溶岩浴が売りだが、エステのトリートメントもスバラシイ。クリスマスということで、未踏の計5時間のスペシャルコースを堪能。

実は、ここでびっくりしたことが・・・

セラピスト:「お客様、顔が相当凝っておられますが・・・」
私:「えっっ、肩じゃなくて、顔 ?!?!?!」

(確かにゴリゴリいっている。)

私:「なんで顔が凝っているんですかね?」
セラピスト:「口の使いすぎじゃないでしょうか。よく話すとか、食べるとか・・・」

私:「あぁぁぁぁ(悲鳴)・・・・・・・・・」
夫:「(爆笑)」

確かに、よく話して、よく食べている。特に「よく話す」については、職業病ともいいわけできそうではあるが、本性(サガ)だろう。が、ここで重要なのは、

「思えば、40年間生きてきて、”顔が凝っている”という自覚症状は一度も持ったことがない」

という事実。実は、これって非常にアリガチな私の特徴では・・・、とちょっと焦った。意外に自分のことがわかっていなく、他人から言われて気づく、という典型的症状ではないか、と思った次第。

***

私の場合、自分の強み・弱みがどこにあるか、ということを職業柄考えることが多いので、「他人と比較しての自己認識」、すなわち相対的な「自己認識」については、極めて適性に考えられているのではないかと思っている。

日々多くの方々の長所短所を抽出するような仕事をしているため、ベンチマークとすべき優れた方々のサンプルデータは大量に蓄積されており、いやがおうでも自分はそのどこに位置するか、という相対的なポジショニングを認識せざるを得ない状況にさらされている。

ところが、今回のように「自分はどこが弱っているか」とか「自分は何をしたいのか」など、自分を見つめる「内省型自己理解」 の機会はそれほど多くなく、この力はそれほど強くないように思う。

また、私の場合、自己理解を進めるにも、他人を利用する傾向が強い(らしい)。人と話をして他人との違いを見つけ、自己理解を深めていくタイプ。例えていえば、車庫入れする時に、強引に車を入れてみて、壁にあたって自分の大きさを知るタイプ。

一方、私の周囲には、「自分はなぜそう思うのか」「そう感じるのか」などを自問し、深堀していくほうが得意、という内省型自己理解タイプの人も存在している。自分の体の大きさから車の大きさを類推し、計算してから車庫入れするようなタイプ。

***

日頃、皆様に「自分の価値観に合致した仕事選びをして欲しい」と申し上げていながら、「内省的には自分を見つめられていないのか」といわれると面目ない次第。

しかしながら、実はキャリアコンサルティングをしていて思うのは、内省型自己理解タイプの人は結構少ない気がしている。「自分の力で自己理解するほうが得意」という人は少なく、私のような「他人の力を借りて自己理解をする」というタイプの人のほうが多いように感じている。

 

そういう方の場合には、自分の適職を考える時に、

  1. できること(skill)
  2. やりたいこと(will)
  3. 大事にしたいこと・好きなこと(value)

の1はわかるが、2や3がなかなか掘り下げられていない、という方が多い。他人と比べて何ができるか(自己認識)はできているが、自己理解はできていない、というケースである。

2のやりたいことについても、社会的認知の高い職業だからということで「やりたい」とおっしゃっているだけで、実は3の価値観などと合致していなかったり、3の自分の価値観といったものが実は明確でなかったりするケースも多くみうけられる。

例えば、「事業再生の現場で働きたい」と言っておられても、実は知らない人の中に入っていって人をやる気にする、といったことはあまり好きではなかったとか、人から嫌われるのが極端に嫌いだった・・・、というケース。他にも、投資銀行で働きたい、といっておられながら、実は人との交渉・競争は本質的には好きではなかった、というケースなどである。

実はこれは危険で、「期待される仕事をしていたら、実は自分のスタイルに合わず、結果的に燃え尽きてしまった」というケースも拝見する。

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年末年始のこの時期、久しぶりに会う人とゆっくり話しをする機会も多いのではないだろうか。

上記の「他人の力を借りて自己理解を進める」タイプの方は、マッキンゼー的「頭貸して」の効用のエントリーにも書いたが、ぜひ自分と違うタイプの人と話をされ、自己理解を深めてみてはいかがだろうか。

もちろん、弊社でも、自律的にキャリアをお考えになる皆様に対しては、「価値観の深堀のお手伝い(キャリアコンサルティング)」をさせていただくことも可能であり、自力解決しようと思っていたが、他人(プロ)の力も借りたい、という方はぜひお声がけいただきたい。

私も年末年始、顔のマッサージでもしながら、たまには自分と向き合って自己理解を深めてみよう、と思う次第である。

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

代表プロフィール

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岡島悦子(おかじまえつこ)

プロノバ 代表取締社長/
ユーグレナ 取締役CHRO

経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロ。
「日本に"経営のプロ"を増やす」ことをミッションに、経営のプロが育つ機会(場)を創出し続けている。

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