先日の経営のプロに必要な資質とは(その2) の続編エントリー。アンケート3問目の「”経営のプロ”に必要な資質は後天的に習得可能か」に対し、ご来場の皆様から頂いた回答は、以下の通り。 

【アンケート3 「経営のプロに必要な資質は後天的に習得可能か」の回答結果:有効回答数=59】

  • YES = 46
  • NO = 1
  • どちらともいえない = 5
  • 無回答 = 7

経営知識・スキルは後天的に習得が可能と言われている(サイエンス)。しかしながら、アンケート第2問目の回答でも多くの方が記載してくださっていた「リーダーシップスキル」については、「先天的な資質(アート)であり、後天的には習得不可なのではないか」とも言われている。この仮説についての皆様のご意見を伺ったもの。

回答欄にはYESとNOしか「敢えて作成しなかった」ため、ポジションを取ってYESかNOかを回答してくださった方が多いと思う。が、正直予想を上回る数の方々が、「YES」と回答されている。これが「経営のプロ」としてご活躍中の方の実感値であるとすると、「経営のプロ」をつくる活動をてがける弊社としても、非常に勇気付けられる結果を頂戴したと思っている。

残念ながら、イベントでは、この回答理由について伺う時間を十分にとることができず、本当に申し訳なく思っているが、ご回答いただいた皆様には、ぜひいろいろな機会に個別に持論などを伺ってみたいと思っている。

***

ちなみに、この質問は、11月に開催した第6回「経営のプロ」へのキャリアセミナー、キャリア新潮流:「右脳型経営のプロ」の必要性でも取り上げた話題であり、今回のイベントでも皆様にぜひご意見伺ってみたいと思ってきかせていただいた次第。

実は、先のセミナーのパネリストとしてご登壇いただいた元産業再生機構の小城武彦氏もBCGの菅野寛氏も、リーダーシップに代表されるような右脳的スキルについては「後天的」に習得した、とご自身では認識されているとのこと。セミナーの中でご自身の習得の経験や具体的な習得方法、習得を可能にする環境、についてもご教示いただいた。

【10人中何人が経営のプロになれるか?】

菅野氏は著書「経営者になる経営者を育てる」 の中でインタビューした経営者の方々にも

 「経営者を志す10人のうち、何人が経営者になれるか」

と質問をしたとのこと。勿論、経営者になる強い意志を持ち、思いっきり苦労してでも習得することを厭わない方の場合、という前提条件付での質問である。

ユニ・チャームの高原会長は「10人中10人」、ファーストリテイリング柳井会長兼社長は「10人中2〜3人」とお答えになったそうである。その他の菅野氏がインタビューをされた「日本を代表する経営者」の方々も、「2〜3人」という回答が多かったとのこと。

  1. そうなりたいという強い意志
  2. 正しい習得の機会
  3. 正しい習得方法

があれば、少なくとも30%くらいの確率では「経営のプロ」に到達可能とのご意見とのことである。

今回のイベント出席者には、次世代の「経営のプロ」を創っていくことに賛同いただく経営者の方も多い。志とポテンシャル能力の高い方々に、未経験でも責任あるポジションをご提供いただいているケースである。

弊社も、こうした方々とともに「成長の機会(上記2の正しい習得の機会)」をつくりだし続け、一人でも多くの「経営のプロ」をつくるお手伝いをしていきたいと思っている次第である。

最後になりますが、ご多忙な中イベントにご出席いただいた皆様、本当にありがとうございました。弊社一同、深く御礼申し上げます。

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

代表プロフィール

2005011ProNova岡島悦子ver2.jpg

岡島悦子(おかじまえつこ)

プロノバ 代表取締社長/
ユーグレナ 取締役CHRO

経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロ。
「日本に"経営のプロ"を増やす」ことをミッションに、経営のプロが育つ機会(場)を創出し続けている。

最新トラックバック一覧