金曜日土曜日と、某商社の幹部研修の講師をさせていただいた。計14時間プラス懇親会。30数年間も第一線で業務に邁進されてきた方々に対するリーダーシップ研修とは何なのか。
「お教えする」などというおこがましいものではない。ただただ全身全霊をかけて、以下のような「深い気づき」の機会を醸成できるかどうか、ということだと思う。
- 自身のリーダーシップスタイルが「我流」であること
- 我流であるが故に、他の条件下で適用できる「汎用性」には疑問が残ること
- 自分を客観視することが難しいこと、その機会が減少していること
- とにかく多忙で「短期的」「部分最適」の「視野狭窄」に入りやすいこと
- 二律背反事象を意思決定するには自分の価値観、経営美学が必要だが、それを考えきれていないこと、言語化できていないこと
- 解決すべき問題はより高度化、複雑化するため、常に謙虚に自身の次元を 高めることが必要なこと、高めるための努力方法開発が必要なこと
- 変化に適応できる自律型変革人材育成/登用のために、多様性を受容し、確固たる信念を持って環境整備をすることが必要なこと
- 自由と規律のある組織文化の醸成人として、大事にすべきものと変化させるべきものを見極めることが必要なこと
そう考えると、少人数の幹部研修という場での私の役目は、「場のプロデュース」ということに尽きるのではないだろうか(もちろんファシリテーションということを通じてではあるのだが…)。
- 参加者の皆さん自身が深く自分を内省する機会の提供
- 本音の議論ができる安全な場の提供
- 参加者相互の信頼感の醸成と共創の空気の醸成
- 皆さんの視点が縦横無尽になるための刺激(ゆらぎ)の提供…
そして「どうしたら"この場での気づき"を、日々の行動と習慣にしていけるか」という難題を考える場の提供。これこそが最大の任務ではないかと思った次第。
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どんな講演もワークショップも研修もそうだが、その効果を最大化するとは、「深い気づきから発生した行動習慣のスイッチ」を、いかにオンにしたまま翌週以降を過ごしていただけるかの勝負なのではないか、と強く思った週末だった。