グロービス経営大学院OBHのクラス
 
グロービス経営大学院で客員教授として教えている中に、組織行動とリーダーシップ(Organization Behavior, OBH)というクラスがあります。
 
前期、7月期のOBHのクラスは、受講生の意識も議論の質も高く、また切磋琢磨していく「同志」としての一体感の高い、非常に「アツイ」クラスでした。チャーミングなキャラの人も多かったことも大きかったかもしれません。
 
クラス終了後にも、このクラスで学んだことを実践で使ってみた報告や、現場で感じるリーダーシップの新たな課題などが、メーリングリストで議論されていたりしています。すでにエントリーが270以上。まだまだ更新されています。
 
こういった文脈の中、昨日、このOBH7月期のクラスのDay7(課外授業という名の飲み会)が、行われました。(グロービスのクラスは通常、隔週で計6回、3ヶ月間が1コースとなってします。この6回をDay1からDay6と数えています。)
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受講生25人からの「誓言」という名の「挑戦状」
 
このDay7の最後に、参加者の皆さんから「岡島さんに、プレゼントがあります」と、ひとつの箱が渡されたました。
開けてみると↓です。楯(プラーク)に文言を彫り込んだもの。
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リーダーシップを学んだ彼らの以下のようなコミットメントと、有志25人の名前が刻まれたものでした。そして有志一同の各自にも、同じ内容をきれいに印刷されたリーフレットが配布されました。

誓 言

岡島悦子殿

我々岡島クラス有志一同は

如何なる時も不屈のリーダーシップを発揮し
人間に対する好奇心と強い覚悟の下
必ず社会に変革を起こすことを誓います

2008年7月期 組織行動とリーダーシップ 岡島クラス有志一同 (以下、25名の皆さんの氏名)

これをいただいた私は、本当に感動しました(みなさん、ありがとう!)
 
最終日のクラスで、なんだかヒソヒソと執り行われていることがあり、「何かタクラミがあるに違いない」と思っていたのですが、こんな嬉しいサプライズでした。
 
ところが、私がウルウルと感動していると、この企画の発起人である川崎氏が、
 
「これは、岡島先生に対する私たちの挑戦状ですから!」と。
 
つまり、私に対する感謝状なわけではなく、「見てろよ、岡島悦子!」という挑戦状、だというわけです。(ふふっ…。この勝負、もちろん受けて立つわよ!)
 
私は、Day6と言われる最終日には、Harvard Business Schoolでも行われていたことを踏襲し、心に残るギフトとなるようなメッセージを伝えるように心がけています。
 
今回のこのクラスでは、以下のようなメッセージを伝えました。この盾に刻まれている決意表明は、まさにそれに対する回答であり、誓約(コミットメント)を宣言するもの。クラスによってみなさんの意識と行動が大きく変容したことは、講師冥利につき、本当にうれしく思っています。
 
リーダーシップには「人間力」が求められます。もちろんリーダーとして変革を起こすためには、経営の知識は必須です。しかしながら、それ以上に重要なことは、リーダーシップのすべては、「人間に対する好奇心」から始まるということです。

 

組織を変革するためには、組織とそこに働く人間に対し、最大限の関心を持ち話し観察し、組織や人が何に抵抗しているか、何に動かされるかという、「鋭く深い洞察」を持つべきです。その洞察の結果によって、とるべきリーダーシップスタイルも施策も行動も異なるべきなのです。

 

そして、もうひとつ重要なことは、リーダーになる人は、重い責任を担っていくのだという「強い覚悟」を持つ必要があるということです。変革とは痛みを伴うケースも多く、リーダーの意思決定によっては、不幸になる人が生まれるケースもあります。

 

意味のある変革をすることは、意義のあることですが、周囲の人全員を幸せにできるケースばかりではなく、孤独な戦いを強いられることもあり得ます。

 

変革が本当に意味のあることなのか、をよく考えること。そしてそう思えれば、周囲の人の幸・不幸を自分が決めてしまう可能性があることも認識した上で、ブレない意思決定をする強い覚悟を持ち、変革を起こし続けることが、とても重要なのです。

 

真摯な想いを持ったみなさんの挑戦を心から応援しています。
 
クラスでは、リーダーシップのクラスは「漢方薬」であり、ここで学んだことを糧に「行動」していくことによって、長期間で効果がでる科目であることを、何度となく説明してきました。
 
まさに、今回、この誓言を拝見し、生徒の方一人一人が、ここで誓約した意識を持ち続け(忘れたら、見直す紙もありますし)行動し続けることができれば、リーダーシップ能力は大きく飛躍し、チェンジリーダーとして世の中を変えていく人になっていくのではないか、との思いを強くした次第です。
 
そして、この皆さんに出会った7月の時点からも、またクラスが終わった9月の時点からも、皆さんが相当変化していること、それを実行に移していることを、昨日のDay7で強く感じた次第です。
 
僭越ながら、人の急成長の瞬間に携わることができる、ということは、本当に幸せなことだと思います。クラスのみなさん、心から応援しています。ぜひ、また活躍の様子を伺うのを、楽しみにしています。ありがとうございました!
 
プロノバ 代表取締役社長 岡島悦子
 
p.s. クラスのみなさん、12月11日発売の『抜擢される人の人脈力』購入してくださいね(笑)

代表プロフィール

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岡島悦子(おかじまえつこ)

プロノバ 代表取締社長/
ユーグレナ 取締役CHRO

経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロ。
「日本に"経営のプロ"を増やす」ことをミッションに、経営のプロが育つ機会(場)を創出し続けている。

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