皆様、あけましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
弊社は昨日が仕事初め。ということで新年にあたり、「経営のプロ」人材市場は今年どうなるのか?についてまとめてみたいと思う。
少し長いエントリーとなりそうなので、以下の切り口でまとめ、3回程度に分けてエントリーさせていただきたい。
- 「経営のプロ」人材市場全体の傾向
- 企業の成長ステージ別の需要動向
- 業界別の需要動向
尚、以下は、統計的なデータから分析したものではなく、人材紹介の現場データの蓄積から抽出、類推した「私見」とお考えいただければ幸いである。
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1.「経営のプロ」人材市場、全体の動向
全体の傾向値としては、「経営のプロ」人材市場は、昨年同様、候補者側の売り手市場が続くと予測される。
「経営のプロ」とその次世代候補人材は、景気回復の影響から、現職で魅力的な経営課題にチャレンジできる機会が増加している。不良資産処理やコスト削減といった後ろ向きな課題から開放され、事業拡大、新規事業開発、事業提携など、トップラインを伸ばす施策に従事し、活躍の機会を獲得している方が多くなっているという訳である。
一方、景気の回復によって「人材不足が成長のボトルネック」という企業が多く(次回エントリー以降に詳細説明)、企業側での人材需要は爆発的に増加している。
従って、以下の2セグメントとも減少しており、「需要>供給」という図式が存在。
- 「不満があるから転職したい」
- 「良い機会があったら転職を考えたい」
但し、以下に該当する方々が転職を検討される傾向(供給)は、絶対数としては少ないが増加傾向にあると思われる。
- 「株主変更(ファンドが売却、2社合併)等で、想定よりも早く再生の局面が終了、あるいは戦略が大幅に変更したので、次の活躍の機会を検討したい」
- 「IPOも終了し、企業の成長ステージが変わり、自分のミッションも終了したので、自分の得意な成長ステージでの活躍の機会を検討したい」
また、経営のプロとしての実績を早回しで構築している事例が少しずつ増加し、また露出も増えている影響が、今年は人材市場により効果を表すと思われる。
例えば、大学の同じゼミ、新卒で入社した会社で同期だったなど、自分とピアだと思っていた人の活躍事例などを目にする機会が、益々増加してくると思われる。これらの身近な事例を見て、
- 「早回しで成長する機会があったら検討したい」
- 「修羅場経験をできる場に飛び込みたい」
といった「20代後半から30代のファースト・トラック志向人材」も増加しており、今後人材市場に登場してくると思われる。
次回のエントリーでは、企業の成長ステージ別、業界別の需要予測など考えてみたいと思う。お楽しみに。
グロービス・マネジメント・バンク
代表取締役 岡島悦子