このリサーチ(CEOの業績とMBAの相関性)によれば、CEOに就任した年齢(50歳未満)と、就任した時期(1999年以前)の場合で、少しだけMBAホルダーの優位性が検証されたとのこと。
 
CEOの目利きにおいて、ひとつめの評価軸がMBAの有無ではないことは、誰の目にも既に明確だと思う。
 
それでも、2010年以降の経営環境がよりグローバル化し複雑化する中で、
  1. MBAの価値は下がっているのか
  2. MBAはより有効になっているのか、
なかなか興味深いディベートではある。
 
MBAホルダーの数は年々増加し、いまやコモディティー化している。
 
一方、HBSをはじめとする各ビジネススクールも、「ビジネススクールの提供価値」を見つめ直し、改革に改革を重ね、Knowing, Doing, Beingの3つの中で、より実践的なDoingと、普遍的なリーダーとしての人(経営観や人格)を育成するBeingに、より注力している。このような取り組みによって、今後のリサーチ結果はどうなっていくのだろうか。
 
私自身は、MBAで学ぶことが成功の条件だとは思っていない。
 
が、以下の3つの条件が揃えば、MBAでの学びはCEOとしての成功確率に寄与するのではないかと思っている次第。
  1. 高い当事者としてのマインドセットで学び
  2. 卒業後に修羅場環境でMBAを活かす深い経験をする
  3. 修羅場経験からMBAの限界を知り学び続ける
***
 
蛇足ではありますが、この論文の共著者であるイバーラ教授のPower and Influenceという授業、HBSで受けた授業の中で3本の指に入る刺激的なクラスでした…

代表プロフィール

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岡島悦子(おかじまえつこ)

プロノバ 代表取締社長/
ユーグレナ 取締役CHRO

経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロ。
「日本に"経営のプロ"を増やす」ことをミッションに、経営のプロが育つ機会(場)を創出し続けている。

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