現代人はピアノの上達が早い?ものすごい集中して、メールの早ウチをしていて原稿を書いていてフト思ったこと。


実は私は、巨人の星「強制ギブス」並の「おもり」を腕につけ、重くした鍵盤で練習する、といったピアノの英才(スパルタ?)教育を受け、コンクールに出るということをしていた暗い過去を持っている。


今ではまったく練習していないので上手く弾けなくなっているし、あれだけの時間を投資したにもかかわらず「絶対音感を持っている」くらいしか回収できたことはないなぁ・・・と思っていた次第。


ところが、先ほど仕事をして「私ったら、ものすごい量のメールを一気に打っているけれど、これって半端なく速いスピードでキーボードを叩いている。これってもしかしたらピアノの猛特訓の賜物では?」という思ったのである。


これと同時に考えたことは、現代人は(PCの)キーボードを叩くことが多く、昔の人に比べて左手と右手を同時に速く打つ、といったことに長けている。かつブラインド・タッチだってできてしまう。即ち、大人から始めたとしてもピアノの上達度が速いのでは???という疑問。


PCのキーボードを打ち始めた時は、誰しも自分の頭の処理スピードの方が速く、キーボードを打つ手がもどかしい、と思ったことがあったはず。しかし訓練とか日常習慣というものは恐ろしいもの。PCを日常的に使っている人で、今そんなことを言っている人はいないだろう。


勿論、ピアノの上手さというのは、音楽性とか情緒とかいったものが必要になるわけで、指が速く正確に動かせればいい、というだけではない。ただ、仮説としては、ピアノを習ったことがなかった人が大人になってから指の使い方を習った場合に、PCのおかげで指筋肉は発達していて、初歩のピアノのレッスンの進み方が速くなったのではないかなぁという仮説である。


周囲のピアノを習ったことがない人や、大人になってからピアノを習い始めた人に聞いてみたわけではないので、真偽のほどは不明なのだが・・・(どなたかご存知の方がいらしたら教えてください)。

***


というわけで、ヘッドハンターである私がどうしてこんなことに興味を持ったかというと・・・


私たちヘッドハンターの仕事は「本人も気づいていなかった能力や活躍の場を見つける」という仕事である。その方のスキルや能力や実績を因数分解して、

  1. 汎用的な筋肉(スキル)を探したり
  2. 「この業界での経験・スキルを持つ人は、この業界でも活躍できる」といった法則(アルゴリズム)を見つける
といったことを日常的にやっているわけである。

特に 上記2.は「橋本聖子理論」と呼ばれている。スピードスケートをやっていた人は、足の筋肉が強いので、自転車競技にも強い、というアレである。同じ業界・同じ職種の人を右から左に動かす、ということでヘッドハンティングが成立するほど、現実は甘くない。実際には「成長欲求」や「やりがい」を求める人が、「斜め上」や「飛び地」の領域での活躍を望む場合が多いのである。


よく知られている事例としては、

  • 戦略コンサルタントだった人は、事業会社で経営企画において社内コンサルタント的な入り方でソフトランディングすると成功しやすい、とか
  • 営業のエースは、採用担当をすると自社のアピール力が高く成功する確率が高い、とか・・・
皆さんの会社でも、「A社から来た人は業界が違うのにウチと相性がいいのか成功している人が多いよね〜」といった経験があるはずである。


こういったアルゴリズム、特に他人や他社が見抜けないような法則を、
 

  • いかに独自に見つけることができるか、
  • そしてこのアルゴリズムが仮説検証を繰り返し確度の高い法則になっているか
が、腕利きヘッドハンターの大きな武器のひとつであるといえるだろう。

良い成功事例が蓄積されていくと、このアルゴリズムも多種多様になり、また確度もあがってくるものである。もちろん具体的なアルゴリズムについては、企業秘密であり、お客様限定で披露させていただく、ということでお許しいただきたい次第・・・


グロービス・マネジメント・バンク代表取締役 岡島悦子

代表プロフィール

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岡島悦子(おかじまえつこ)

プロノバ 代表取締社長/
ユーグレナ 取締役CHRO

経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロ。
「日本に"経営のプロ"を増やす」ことをミッションに、経営のプロが育つ機会(場)を創出し続けている。

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