必見!ザ・バイブル:「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」 2008-03-08

事業計画作成のバイブル誕生!

 

「事業計画を作れ!」と言われて、どのような項目が含まれていなければいけないか、ぐらいはわかったとしても、どの程度のレベルのものを作ればいいのか、良い事業計画のKSF(Key Success Factors)とは何か、ということに迷われたりはしないだろうか。

 

事業計画を作成しなければならないのは、資金調達をしなければならないベンチャー経営者だけではない。大企業で新規事業の事業計画を作成しなければならない担当者、いつか起業したいけれど、どこから手をつけたらいいのかわからない潜在起業家の人々、にとって、「バイブル」とも言える資料が、総務省から発表された
「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」及び「事業計画作成支援コースの運営とベンチャー支援上のポイント」の公表

 

総務省では、創業期から事業拡大期のICTベンチャーの経営者にとって求められる事業計画作成能力の向上を、効果的に支援するための教育プログラム「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」PDF版、パワーポイント版)および「事業計画作成支援コースの運営とベンチャー支援上のポイント」(PDF版、パワーポイント版)を開発しましたので公表します。

 

(平成20年3月7日発表、総務省報道資料より)
このバイブルの持つ意味

 

とにかく、中身を見ていただいたらわかると思うが、事例が豊富で非常に具体的でわかりやすい。ベンチャー経営者が陥いりやすい事業計画作成上の失敗例が、端的に指摘されており、初めて事業計画を作成する人は、これを見て「未然に人の失敗から学ぶ=時間を買う」ということができる。また、事業拡大をするベンチャー経営者が、成長の痛みをどのように超えていくべきなのか、の打ち手についても、経営のしくみのつくり方などが、非常に具体的なレベルで記載されている。

 

「こんなスゴイ資料を、(無料で!)発表してしまっていいのか!」と、世の中のベンチャーキャピタリストもびっくりのマル秘ガイドブック。ベンチャーキャピタリスト自身にとっても、バイブルとなると思われる資料である。

 

実は、このバイブルを作成されたのは、マッキンゼーの先輩でもあるブレークスルーパートナーズ 赤羽雄二さんと森広弘司さん日本発世界レベルのベンチャー企業を創出しようと、ベンチャー企業への投資・支援活動を幅広く行っておられるお二人である。

 

この資料に価値があるのは、ベンチャー企業の経営の現場に深く入り込んで、数々の支援をハンズオンで行ってこられているからこそ、経験に根ざした、非常に具体的なアドバイスのエッセンスが、このバイブルに詰め込まれているからである。よくある教科書的なテンプレートがあるマニュアルではない。

 

ベンチャー経営者のクリエイティビティーを尊重しつつ、ベンチャーキャピタリストなどの「事業計画書の読み手」の視点を、あますことなく披露し、ベンチャー経営者が抱える課題への本質的なソリューションの「ヒント」すらも与えてくれる良書である。

 

赤羽さんとは、昨年、総務省の「ICTベンチャー人材確保の在り方研究会」の委員としてご一緒させていただき、多くの刺激を与えていただいた。今回の資料のドラフトも、一足早く、拝見させていただいた。赤羽さんが、「日本から世界級のベンチャー企業を輩出したい」という強いアスピレーションをお持ちであることも、その研究会へのご尽力から強く感じた次第。

 

出る杭が打たれやすいこの日本で、起業家として活躍する人々が次々にたたかれ、ベンチャー業界全体が、停滞してきているように見受けられる。また、私のようなベンチャー業界に深く関わっているヘッドハンターの目からみても、優秀な人々のベンチャー業界への流入も、減少してきて潮流を明らかに感じている。

 

このような状況下だからこそ、一人でも多くのベンチャー経営者が、この資料を参考にされ、永続的に勝ち続けられるような強いベンチャー企業が、ひとつでも多くできれば、との想いから、この「秘伝のタレ」を世の中に発表されたのだと思う。

 

私は、数多くのベンチャー企業の経営チームづくりや、組織開発アドバイスをさせていただいているが、本書の

 

「7. 急成長ベンチャーの組織構築=事業計画を実行する筋肉作り」

 

「8. 社長自身の成長=事業計画を実行する牽引役」

 

の記載は、賛同する部分が非常に多く、示唆にとんだ内容であり、ぜひ経営者のみなさんにもお読みいただきたいと思う次第である。

 

***

 

この力作に、心から感謝し、多くのベンチャー経営者のみなさんに本書の存在をお知らせしようと思っている次第である。また、私がお手伝いさせていただいている、グロービス・キャピタル・パートナーズや、経営共創基盤でも、この資料を参考に勉強会などをしてみたいと、切に思っている次第である。

 

(株)プロノバ 代表取締役 岡島悦子

『ビジネスプロフェッショナルの仕事力』取材始動 2008-02-16

スバラシイ方々への取材機会

 

日経さんと、いつも私の取材原稿を書いてくださっているブリッジワークスさんからの依頼で、『ビジネスプロフェッショナルの仕事力』という本の監修を、お引き受けすることになり、先週からインタビューが始まった。

 

今回は、各界を代表するプロフェッショナル7名の方に、仕事力を高める情報の収集・分析(意味合い出し)・整理・発信・伝達に関する極意を伺うという企画。
『ビジネスプロフェッショナルの仕事力 』にご登場頂く方々(順不同)

 

田坂広志氏 シンクタンク・ソフィアバンク代表

 

冨山和彦氏 経営共創基盤代表取締役社長

 

石田淳氏 ウィルPMインターナショナル代表取締役社長

 

本田直之氏 レバレッジコンサルティング代表取締役社長

 

糸井重里氏 コピーライター

 

勝間和代氏 経済評論家、公認会計士

 

御立尚資氏 ボストン コンサルティング グループ 日本代表
と、多忙を極める本当にすばらしい方々が、取材を受けてくださるということで、心から感謝している。

 

私の役割=監修とは、お話をいただく方へのインタビュアーをし、それぞれのお話の要素が、現代のビジネスのプロにとって、なぜ重要な要素なのか、という意味合いを解説させていただく、という役割。

 

一流の方々の一流たる所以を引き出し、今、ビジネスのプロに求められる仕事力とは何か、を抽出していく作業を担当させていただく。その仕事力の中でも、特に「情報活用力」という切り口にフォーカスするという試みである。

 

ヘッドハンターとしても、スピードの速いこの時代に、情報活用力の差異が、個人の市場価値とどう関係しているのか、という観点でも考えてみたいと思う。一流の方々に取材させていただくことで、私自身も大いに参考にさせていただけると思い、今から楽しみ。

 

この本の持つ意味

 

ここにも登場していただく、友人の勝間和代ちゃんの『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』が、爆発的に売れていることを考えても、情報を使いこなす力量の向上への関心は高いようである。

 

言わずもがなではあるが、ネット環境の整備された現代の私たちの周囲には、情報があふれている。検索エンジンもどんどん高度化される中、どれだけの情報を知っているかの知識量での戦いは、既に終わっている。いかに限られた時間の中で、自分にとって必要な情報を効率的に収集し、そこから本当に「意味のあるチエ」に変換できるか、活用できるか、の活用力への戦いへのパラダイムシフトが起きている。

 

前々職のマッキンゼーでは、"Don't boil the ocean!(海を沸かすようなことをするな)"という表現が使われていた。これは、関連する情報も、必要そうな分析も、ものすごくたくさんあるが、それを全部やっていたのでは、海を蒸発させるくらい時間がかかってしまう。もっと賢く情報を選択して、賢く分析せよ、という意味。要は「時間との戦い」ということである。「情報の海に溺れてしまわずに、賢く泳ぎきれ!」ということだと、私は理解している。

 

ただ、上記の人選を拝見して、この本の本質は、いわゆるテクニック的な情報活用力という部分ではないと思っている。メディアの多様化、情報の個人発信の時代、といった流れのある中で、情報感度や発信力の高い方だけを、集めたのではない。

 

アプローチは違っても、「情報をチエに変えて、人々を動かしていくことのプロ中のプロ」が、この方たちなのではないか、という仮説を持っており、その意味で、いわゆるテクニック本とは一線を画す本ができるのではないかと、非常に楽しみに思っている次第。

 

5月末ごろには、書店に並ぶ予定、とのこと(がんばらねば・・・)。

 

ぜひご期待ください!

 

プロノバ 代表取締役社長 岡島悦子

ダボス会議:今年は参加できず・・・ 2008-01-28

来年への決意

 

ダボス会議2008が閉幕した。昨年WEFからYoung Global Leadersに選出いただいたので、今年のダボス会議にも招待していただき、出席を予定していた。特に今年のテーマはinnovationということなので、楽しみにしていた

 

しかしながら、公私における事情からどうしても東京を離れられず、今年はキャンセルせざるを得なくなり、大変残念ながら、出席を見合わせた。事務局の方からは、ありがたくも「来年はぜひ」と言っていただいたので、WEFの活動にも貢献しつつ、ぜひ来年を楽しみにしたい。

 

私が心から尊敬する、ダボス会議の常連の石倉洋子教授が、今年のダボス会議の様子を克明に伝えてくださっている。昨年の大連で行われた夏ダボスには、私も参加したが、石倉さんのブログによれば「ダボスは(夏ダボスとは)格が違う」とのこと。

 

今年は、福田首相も環境サミットに向けて「クール・アース構想」について講演されたとのことで、日本からの参加者(特に政治家の方々)も多かったらしい。日本のメディアの注目度も高かったようである。

 

しかしながら、昨年の夏ダボスでも体感したが、日本への注目度は相対的に低く、”Japan Passing”からJapan Nothing”への潮流を止めきれていないようである。

 

ひとつには、このような国際会議などで、議論をまとめあげるDiscussion Leaderとしてのモデレーターやスピーカーとして活躍する日本人は、非常に少数であることがあげられるだろう。内閣特別顧問の黒川清氏や前述の石倉洋子氏は、いろいろなパネルで八面六臂の大活躍をされているが、人数としては極少数である。

 

私も日本では、数々のカンファレンスでのモデレーターや講演などをさせていただいているが、こうした国際会議で議論をリードしていくのとは、求められる力量のレベル感がまったく違う。

 

世界に発信できるだけのコンテンツを持つことは、勿論大事であるが、自分なりの視点を持つこと、議論をまとめ上げていくだけのコミュニケーション能力をあげることを、少しずつでも努力していきたい。

 

来年ダボス会議に参加できたとしても、初参加者として右往左往するだけになってしまいそうではあるが、「1問でもいいから良い質問をしてみる」などのチャレンジができるようになれるよう、鍛錬してみたいと思っている次第である。

 

潟vロノバ 岡島悦子
p.s.
石倉先生、帰国されたら、お話聞かせてくださいね。

視覚というコミュニケーション方法の大事さ 2007-12-02

リーダーシップのクラスなどで、ケーススタディー型で講師をすることが多いが、最近その経験を通して痛感することがあったので、エントリーしておきたいと思う。

 

***

 

グロービスでは、Harvard Business School(HBS)で作られたケースの和訳版を利用していることが多い。当然、米国企業のケースが多く、登場人物もアメリカ人のケースが多い。

 

最近、受講生(それもいろいろなクラスの受講生)と話していてわかったことなのだが、どうやら、アメリカ人の名前というのは、なかなか覚えられないらしい。また、男性か女性かを名前から判断するのが結構難しいらしい。

 

例えば、「ドナ・ダビンスキーとアップルコンピューター社」という、リーダーシップのクラスでは古典とも言える代表的なケースがある。

 

ここで出てくる主人公のドナはハーバード出身の女性マネジャー。一方宿敵となるデビ・コールマンはスタンフォード出身のジェネラル・マネジャー。ドナは、デビ・コールマンがドナの担当領域である物流部門について「すばらしいプレゼンテーションの改革案を作成している」という噂に翻弄され、頑なに反論していく、という文脈がある。

 

ハーバードvsスタンフォード、女性どうしのライバル心、といった文脈が、ドナの心理状態を考える上で重要な要素となっている。ところが、何名もの受講生から「デビ・コールマンは、てっきり男性だと思っていました。」と言われて、びっくりした。

 

もちろん、男性か女性か、ということだけが、重要なケースファクトというわけではない。ただ、ことほどさように、ケースの文脈をアメリカ人同様に理解する、というのは、なかなか難しいことのようである。聞いてみると、ケースに出てくるような管理職的な人物は男性に違いない・・・という固定概念もあるらしい。

 

確かに、私も海外のミステリー小説などを読んでいて、登場人物がある一定数を超えると、「あれ、これ誰だっけ?」とわからなくなり、カバーのところ書いてある登場人物説明などを何度も見返してしまったりするわけで、一方的に受講生をせめられる類の話しではない。

 

一方で、ケース・スタディーの学びを成功させるためには、「その状況に自分がおかれたら、どのように意思決定し、どのように行動するかを、どのくらい当事者意識を持って具体的に考えられるか」にかかっている。したがって「当事者意識を持てるか」「ケースの主人公にどのくらい感情移入できるか」は、学びの歩留まりのためにも、非常に重要な要素になるわけである。

 

***

 

ということで、最近私が試してみて、成功率が高いなぁと思っているのが、イメージ写真を入れた組織図を作成して見せる方法。リーダーシップの授業の場合には、マネジメント・レベルが異なる登場人物が複数登場することが多い。プロジェクト・チームにおけるリーダーシップのケースなど、プロジェクト・メンバーが多く、なおさらである。

 

勿論、先のケースで言えば、スティーブ・ジョブスなど現在も活躍している人物の写真も使えるわけだが(肖像権の問題もあると思うので、あくまでも「教育目的」ということで、配布資料には使わず、パワーポイントで見せるのみ)、通常、パワーポイントのクリップ・アートから、年齢や文脈に合うような写真を見つけ、組織図上に貼り付け、クラスで使うようにしている。

 

特に、外国人の写真が多いので、米国版のMS Office Onlineのクリップアートを愛用している。写真収集マニアのように、いろいろな写真をダウンロードして切り張りしているので、時々横で見ているうちの夫にも「よくやるよね〜」と、半ばあきれられている感じ。

 

とはいえ、この効用は非常に大きい。文字によるテキストに加え、写真を見ることで、TVや映画で見るのと同様、人の顔が結構記憶に焼き付けられやすいようである。いろいろなケースで試してみているが、明らかにクラスの中での登場人物の記憶浸透度が高くなっており、より当事者意識を持った発言が出やすくなっていることを実感する。

 

この体験を通じて痛感するのは、記憶や学びにおける「視覚」の持つパワーの重要性。文字というテキストで長く説明しなければわからないことを、映像は短時間で伝えてくれる。もちろん「見たもの以上にイメージを膨らますことができない」といった副作用はあるのだと思うし、文学を味わう時には、そういった想像を膨らますことにこそ、醍醐味があるというのも理解できる。

 

ただ、授業やプレゼンテーション、といった場で限られた時間で何かを伝えなければならなかったり、共有しなければならかったりする場合、映像・視覚に訴える、というコミュニケーション手法の強さを、再認識した次第。

 

そういえば、最近、企業のプレゼンテーションなどでも、自社製品のデモ・ビデオを流す企業などが益々増えている。そして、デモのつくりかたも益々洗練されてきていると思われる。通信環境などのインフラがますます整備されていることも、要因のひとつだと思うが、どんどん洗練されるデモなどを見ていると、映像が短時間で与えるインパクト、をひしひしと感じる次第。

 

***

 

私がよく使っている言葉の中に、「人はイメージできないと、行動できない」というものと、「コミュニケーションは受け手が決める(伝え手の意図にかかわらず、受け手に正確に伝わらなければコミュニケーションとしては意味がない、という意味)」というものがある。

 

受け手が共有イメージを持ちやすい「視覚」というコミュニケーション。人々が多忙になり、また人々のバックグラウンドも多様化する中で、共有イメージを持ちやすい「視覚」というコミュニケーション方法は、今後ますます重要な価値を持ってくるに違いないと思っている。伝えたいことを視覚的にどうコミュニケーションすべきか、ということを益々真剣に考えたい、と思った次第である。

 

プロノバ 代表取締役 岡島悦子

IVS (その2):創造型企業の挑戦 2007-11-27

今回のIVSの中で、個人的に最も興味深かったセッションが↓のパネル。

 

13:30-14:30 Session 6-A: Creative Ventures – 創造型企業の挑戦

 

(Speaker)
* takram design engineering 代表取締役 田川 欣哉 氏
* チームラボ株式会社 代表取締役社長 猪子 寿之 氏
* 株式会社ユビキタスエンターテインメント 代表取締役社長 清水 亮 氏

 

(Moderator)
* ケイ・アンド・カンパニーLLP 代表パートナー 小林 雅 氏
innovativeな事例の紹介innovationが生まれ続けるためにしていること(環境・しくみなど)」について、各社からプレゼンという形式だった。

 

何が興味深かったのかというと、日本にこんなにもエッジのたった才能あふれる人たちがいる、という事実。そして、自分たちの才能を最大限にレバレッジできる「スタイル」を貫き通している、という事実。

 

***

 

タクラムの田川さんは、よくご一緒させていただいており、代官山サロンにもプロノバのオフィスにも来ていただいている。お目にかかる度に、その才能の凄さと先見性に感動し、触発される。

 

今回のプレゼンの中にも出てきたが、現在ミッドタウンの21_21 Design Sightで開催されているwaterへの出品作品を先日見て、またまた感動。水を「可視化」「可聴化」するというコンセプトにチャレンジし、それを見事に具現化しておられる。コンセプトをつくりだす能力も、それを具現化する能力もすばらしい(1月14日まで開催中なので、ご興味ある方はぜひ!)

 

チームラボの猪子さんは、ユニークな方だというのは存じ上げていたが、事例説明などを伺うのは始めてだった。auデザイン携帯のコンセプトの根底に流れるもの

 

(=「本来の目的でやっていることで別の価値をつくる」⇒「行為そのものを楽しめるものにする」)

 

の説明を伺い、テクノロジー+アートと言っておられることを始めてきちんと理解することができたような気がする。

 

「やばい、すごい」と思われるようなアートや製品を作っておられる訳だが、人の集め方もマネージの仕方も面白い。「普通の人がチームでやって成長できるっていうのが好きなんですよ」とサラッと言ってのける。このスタイルを貫き通していけるのではないかと思わせる。

 

そして今回、初めてお目にかかって本当にびっくりしたのが、UEIの清水さん。いやー、この方、本当に突き抜けている。とことんゼロベース思考でやっているんだなぁという感じ。ニコニコ動画の発想の仕方にしても、人の集め方にしても・・・。

 

特に人の集め方で面白いと思ったのは、GEのcollected genious companyにならい「とにかく天才を集める」方法。「120以上のIQで、科学を愛し、人間を愛せる人」が入社の条件で、社員全員を毎月テストしているらしい。会社で学んだこともどんどん本にして「自分の名前で」出せ、など、究極のオープン・プラットフォーム型の会社にしているらしい。

 

***

 

私はデザインエンジニアリングやアートや技術のプロではないので、その部分では語れないが、「人の目利き」のプロとして、非常にワクワクする3人である。「自分の好きなことをしてインパクトを出すために、徹底的に自分らしいスタイルにこだわる」がキーワードであるように思う。とかく周囲には「ダメだし」をする人が多いが、事例による説得力によって「いつのまにか周囲を巻き込んで味方にしている」的な先天的なチャーミングさ、をもっているような気がする。

 

規模を追求するという意味ではなく、グローバルの壁に風穴をあけるインパクト=無限大の成長の可能性を秘める、という意味で、まさにInfinityの名にふさわしい3社3名だった。

 

これからも、こういう「すごい人」に多くあっていけたら本当にスバラシイ、と心から思った次第。

 

プロノバ 代表取締役 岡島悦子

IVS(Infinity Venture Summit) 終了 2007-11-26

 

先週になるが、グロービス(GCP)を卒業・独立した小林雅さんがAdobeの田中章雄さんと新しく立ち上げたIVS(Infinity Venture Summit)に先週参加した。

 

IT業界の経営者が約300人が集結。以前のNILS(New Industry Leaders Summitよりも、若干だが年齢層が若返っているのが特徴のように思える。

 

NILSでは、創設以来過去6回、企画メンバーをしていたため、パネルの企画から参加していたが、今回はモデレーターということで、小林さんから依頼のあった経営パネル↓「成長の壁」というパネルのモデレーターを担当。NILSの経営パネルでもお馴染の論客。
15:15-16:30 Session 2-B: 成長の壁

 

(Speaker)
* 株式会社オプト代表取締役CEO 海老根智仁 氏
* 株式会社オールアバウト 代表取締役社長兼CEO 江幡哲也 氏
* 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン 代表取締役社長CEO 石坂信也 氏
経営関連のパネルについては、経営者のみのカンファレンスであるという場を最大限に活かして相互の学びの場とする、という趣旨から、失敗も成功もなるべく具体的事例で議論する、ということでお願いしているため、基本的にオフレコ

 

そのほうが、机上の空論でなく「で、現実問題はどうなの?」といったことをお互いに聞ける場になるからである。

 

ただ、いつも難しいなぁと思うは、分科会形式だとはいえ100人以上の経営者でこういったテーマを「みんなで考える方式」にするのは、本当に難しい。お互いの立ち位置もよくわかっている経営者だとしても、徹底的に議論するならば30人くらいが最大の人数かな、などと思った次第。

 

「成長の壁」というお題をいただき、IVSのInfinity(無限大)とういことを考慮した時に、以下のようなことを考えた。
  1. Googleなどを輩出した米国に比べ、日本のベンチャー企業はメガベンチャーになりにくいといわれているが、どうしたら「成長の壁」を超えてメガベンチャーを目指せる
  2. IPOを後も次々に現れる「成長の壁」を常に超えて「勝利し続ける」ためには、どのような戦略・組織メカニズム・リーダーシップが必要なのか
討議の内容については、上述のようにオフレコなので割愛するが、すばらしいスピーカーである3名の経営者の方々はそれぞれ、長期的に企業が収益の柱を次々と生み出していけるよう、以下のようなことを励行しておられることを、事例ベースで共有していただいた。
  • 長期的な仕込みも行うことを投資家にも納得してもらえるような明確な説明と信頼感の獲得
  • 強い人材を創り出すしくみ
  • そのような人材をひきつけ続けるような組織文化の醸成と理念の反復的な浸透
  • 勝ち続けるための経営者自身のリーダーシップ磨き
非常に難しいテーマだったが、示唆に富んだお話しをいろいろ伺え、また参加者の皆さんからも、活発に意義深い質問をいただいた。 最後になりましたが、パネリストの皆様、難解なパネルに真摯に対応していただき、本当にありがとうございました。

 

プロノバ 代表取締役社長 岡島悦子

私のルーツ:グローバル魂のルーツ 2007-10-18

私の実家=岡島家は、50年前、日本で初めてAFSプログラムでアメリカ人高校生の交換留学生のホームステイを受け入れたホストファミリーである。

 

1954年、AFS日本人一期生として8名の日本人高校生が米国留学。

 

yp1_1955.JPG

 

(AFSホームページ:「AFS日本協会のあゆみ」より)

 

この日本人留学生達が「ぜひこの体験を多くの人に広めたい」とAFS日本支部を設立。1957年に、はじめてアメリカ人高校生9人を、日本人家庭が受け入れることとなる。当時は、飛行機ではなく、2週間かけて、船で横浜港まで来たとのこと。

 

それから、50年・・・。

 

***

 

ということで、AFS受入れ50周年を記念して、本日、この高校生だったアメリカ人留学生の第一期生とご家族、ホストファミリー、上記の写真にいらっしゃる日本人留学生の第一期生が一同に会するレセプションが開催された。

 

我が家にホームステイしていたMr. Peter Bellと奥様も来日され出席されるとのことで、父とともに出席した。当時受け入れた祖父母も叔父二人も既に他界してしまっており、当時のピーターさんを知っているのは父のみとなっている。

DSC00149.JPG(左から、私、Peter Bell、父、Karen Bell)
DSC00150.JPG

(上の白黒写真の日本人第一期生の皆様)


ピーターさんの私への影響

 

 私が生まれたのは、ピーターさんの来日から約10年後。実は、ピーターさん夫妻にお目にかかるのはこれが初めてだった。だが、物心ついてからというもの、折に触れ祖母や父から、ピーターさんが一緒に住んでいた時の話しを聞いていた。

 

しかも、彼の日本滞在時の日記は、アメリカで出版され、小さい時からその写真を見たり、後に英語で読んでみたりした。現代であれば、ブログに書くといったところだろう。当時高校生だった父はRとLの発音ができないとか(まあ、当たり前だが・・・)、お手伝いのハルさんは働きものだがピーターさんに話かけられると耳まで赤くなっていたとか・・・。

 

私の祖父は英語が堪能だったが、祖母は殆ど英語は話せなかったらしい。ただ、彼女は凛としたザ・日本人であり趣味人であったため、常に和服を着て、お茶、お花、習字、日本画、鎌倉彫、佐賀錦(和刺繍)、日本料理、など日本文化の良さを伝えた。

 

その上、ピーターさんに、「あなたは、こうやって縁あって日本との架け橋として選ばれたのだから、世界のために貢献するのがあなたの使命である」と切々と話ししていたらしい。また祖母は肉親を長崎の原爆で亡くしており、その原体験を通じて、ピーターさんには世界平和に貢献して欲しい、といったようなことを伝えたらしい。祖母は、当時の日本人女性には珍しい、非常に主張が明確な人であった。ピーターさんいわく、彼女の発言は、その後のピーターさんの人生にも大きな影響を与えたらしい。

 

コミュニケーションは、言語能力の高さも重要だが、それ以上に、伝えようとする意思とコンテンツがより重要だと感じさせられる実話である。

 

その後、ピーターさんはエール大学・プリンストンの大学院で国際関係を専攻し、フォード財団で南米等で活躍、カーター政権下では高官としてインドシナ難民問題の解決、世界最大の国際協力NGOであるCAREの代表を長年勤めて来られた。祖母の影響がどれくらいあったかは別として、開発途上国の人権問題、飢餓救済、紛争解決に大きな貢献をされてこられたとのこと。

 

残念ながら、ピーターさんがこうした世界的な活躍をされていた時代には、私はなかなかお目にかかることはできなかったわけではあるが、子供心に、「何だかウチの家は、世界と繋がっているらしい・・・」と誇らしく思っていた(今思えば、勝手な妄想であるが・・・)。思えば、こうした勝手な妄想が原動力となって、「いつか海外で勉強したい」「いつか海外で活躍したい」という思いに繋がったような気がしている。

 

その夢のひとつがかない、私がHarvard Business Schoolに入学した時には、この気丈な祖母はもう他界していたが、代わりにピーターさん夫妻は自分の子供のことのように喜んでくれ、私の卒業式にも来たいと言ってくださったくらいである。

 

***

 

人の縁とは、本当に不思議なものである。日本と米国という遠い二つの国にいる二つの家族が、縁あって出会い、50年の時間の流れの中で、相互に影響しあう・・・。50年の時を経て、初めて会った子孫でさえも、お互いをextended familyのように感じられる・・・。

 

私がglobalとかleadershipという概念にワクワクするルーツは、こういった縁に支えられたものではないかな、ということを強く感じたステキな一夜だった。

 

久しぶりに、祖父母に感謝。

 

潟vロノバ 代表取締役 岡島悦子

仲良し経営者からのプレゼント 2007-10-11

株式会社プロノバ(しつこいですが「プロの場」の意味です)を立ち上げたものの、グロービスと経営共創基盤で「ばっちり」お仕事させていただいているため、オフィスの必要性を感じていなかったのですが・・・

 

「代官山サロン*で一緒にブレストさせていただいている仲間のみなさまから「早くサロンをつくれ〜」との厳しい「突っ込み」の声援をいただいておりました。
*代官山サロン:岡島悦子主催のブレスト目的イベント。不定期開催。

 

毎回ビジネスアイディアやビジネスプランの持込みがあり、そのブレストに最適と思われるプロを岡島が厳選し、最大8名でブレストを行う勉強会のようなもの。様々な視点を持ったプロが集まるので3時間くらいで、かなり内容の濃いアウトプットが創出される。
ということで、自宅から徒歩3分の所に、ちょっとサロンっぽい小さな仕事場を借りることとしました。実はこの物件、ナント築50年。外見は非常に味わい深く、中身はリノベーションで有名なブルースタジオさんがリノベーションしたばかりのちょっとステキな物件。

 

「早く肝心の代官山サロンをやれ〜」というお叱りの声もあるものの、まずは内輪向けにオフィス開きをやらせていただかなければ・・・と思っていたのですが、相変わらずの自転車操業的な忙しさにかまけてしまっておりました。

 

と、そんな所へ、非常に仲の良い経営者の方々から、本日、ステキな観葉植物とゴージャスなフラワーアレンジメントが届きました!こんなチンマリしたオフィスというか事務所なのに(これがサロン???って言われたらどうしよう・・・)、過分にお心遣いいただいて本当に申し訳ない・・・と思いつつ、あまりにステキだったので、感激。あまりに嬉しかったので、写真を公開させていただきます。

DSC00125.JPG   DSC00143.JPG   DSC00144.JPG.200px.jpg   DSC00171.JPG

 

P&A社長の吉田敬さん(元楽天常務執行役員)、GABA COOの須原清貴さん、PEファンド The Carlyle Group のManaging Director 朝倉陽保さん、同Dirctorの吉崎浩一郎さん、グリー社長の田中良和さん、同副社長の山岸広太郎さん、本当にありがとうございました。

 

なるべく早くオープンオフィス企画を実行できるように頑張ります。うっっっ、代官山サロンも早めに開催いたします・・・

 

潟vロノバ 代表取締役 岡島悦子

島耕作でグローバル化? 2007-10-07

大連の夏ダボス会議で久しぶりにグローバルの洗礼を受けてから、何かと「グローバリゼーション」というキーワードに、今まで以上にアンテナがピクピクする。何だか「グローバル」ということに関連した仕事もここの所、急増。

 

実は私、中国人、インド人、ロシア人、ブラジル人の友人はいるものの、世界30カ国にも行ったことがあるのに、恥ずかしながら今回の大連が、中国初デビュー(除く香港。ちなみに私は台湾育ち)。それどころか、BRICs初デビューだった私。

 

言い古されたことではあるが、やっぱり百聞は一見にしかず、ってことで、大連では中国パワーのすごさを痛感した。経営者や学者の中には、海亀(欧米からの帰国子女)が多いということもあるだろうが、商品やサービスが最初から「世界を目指す」視点を持っているものが多く、世界観の持ち方の違いを見せ付けられる。

 

ということで、遅ればせながら、いろいろな角度から、中国やインドについて、catch upしなければ・・・と思っていた次第。

 

「取締役・常務・専務 島耕作」

 

話は変わるが、親しい友人の中では、よく知られた話であるが、私は「お一人様(おひとりさま)」が、非常に苦手。一人で映画、外食、旅行、など殆どできない。まあ、究極のさびしんぼ&自意識過剰か・・・。ということで、家族・友人は、バディーを求めた私の被害者になりやすい(みなさま、いつもありがとうございます!)。そんな中、いくつか自分ひとりでできる気分転換のひとつが「漫画の大人買い、イッキ読み」。

 

その「お一人様時間」が、少しだけまとまってできたため、「取締役 島耕作」を大人買いして読むこととした。ナント、私が知らないうちに、島耕作氏は初芝電産の「専務」にまで上り詰めていた。まずは、平取から読み進めて、追いつかなければ・・・。

 

島耕作の読者の方はご存知だと思うが、取締役となった彼は、中国・上海に赴任する。上海初芝の董事長としての実績が認められ、北京・上海を中心とする全中国担当の常務となり、加えてインドもカバーするようになり、とうとう専務として中国・インド・アメリカを担当する。

 

もちろん、ストーリーはフィクションであるが、筆者の弘兼氏の丹念な取材の賜物であろうディテールが、非常にリアルである。

 

中国における知財の問題、反日感情の問題、中国企業との合弁経営の難しさ、インドセレブ、カースト制度、等の様々なイシューが散りばめられている。北京、上海、中関村ハイテクパーク、蘇州工業団地、西安、ムンバイ、コルカタ(カルカッタ)、ベンガルール(バンガロール)、バナーラス、と様々な地域でビジネス上の事件がおこる(お約束の女性問題も・・・)。これらの事件を通して、その地に生きる人々が生き生きと描かれており、彼らがそう行動する歴史的背景などが浮かびあがってくる。

 

ケーススタディーのようにリアルに描かれている分、単なる知識として学ぶ、というよりは、文脈を感じ取りながら、マメ知識的なことも学べる、という意味で、中国・インドの素人である私にも、非常にとっつきやすい内容であった。どこから手をつけたらいいのかなぁ、といった人には、オススメとも言えるかもしれない。

 

もちろん、内容的にはフィクションであるので、自分自身でも勉強したり、実際に現地に行って体感したり、ということで、中国・インドへの見聞を深めていきたいとは思っているが、その「きっかけ」づくり、という意味では、予想外に収穫の多い「お一人様経験」であった。

 

まあ、また周囲の人々(ウチの夫など)は、岡島に「島耕作の中国・インドはいいよ〜」と宣伝されまくられ、読まされる被害にあっている今日この頃となっている次第。やっぱりお一人様は、とことん苦手なのである。

 

プロノバ 代表取締役 岡島悦子

公文式のスゴサ 2007-10-05

11月に第二回目のSILC(Service Industry Leaders Conference)が開催されるが、そこで「国境を越えるサービス」というテーマでのパネルディスカッションのモデレーターを担当する。(昨年開催の第一回の模様はこちら)

 

このパネリストとして、公文教育研究会 取締役社長室長 石川 博史氏にご登壇いただくので、事前取材ということでお話を伺いに行った。私が関心を持っている、グローバリゼーション×リーダーシップという観点からも、非常に示唆に富んだお話を伺うことができたので、エントリーしておきたいと思う。

 

***

 

グローバル展開する公文式

 

良い商品が世界で受け入れられる(国境を越える)のは難しいと思うのだが、人の生活習慣や嗜好に深くかかわる「サービス」が国境を越えるのは、より難しいといわれている。

 

ましてや、文化や人の価値観というものに非常に密接に係わる「教育」の分野であれば、なおさらであろう。

 

このような領域にあって、公文式は、まさに「国境を越えるサービス」を提供し、日本を含む世界45の国と地域で400万人超に教育サービスを提供しているという。
<国内>
教室数:1万7,600教室
指導者数:1万5,200人
学習者数:148万人

 

<海外>
教室数:7,800教室
学習者数:264万人

 

<普及地域>
世界45の国と地域(日本含む)
(2007年3月末現在)

 

(出典:公文教育研究会HPより)

 

教育に対する社会・親の考え方の違い

 

いきなり自分の話で恐縮だが、実はHBS時代、公文式の米国進出の難しさ」というケースが、Service Managementのクラスの試験の課題だったことがある。5年以上前の話なのでうろ覚えではあるが、その中にこんな話があった。

 

「アメリカ人は、学校が休みのシーズンでなくても、親の休暇にあわせて長期間、子供に学校を休ませてしまうことがままある。こうすると必然的に公文式の教室も長期に休ませてしまうこととなる。この結果として、子供が教室に習慣的にやってくるモメンタムを失ってしまい、日本の公文式に比べ、途中解約の件数が格段に多い」

 

取材で伺った際にも、このような「各国における親の教育観の違い」によるご苦労の事例も数々伺った。夏休みには長い休暇をとり、その間は勉強なんて「もってのほか」、という国もあれば、長い休みの時にのみ集中して勉強させたい、という国もあるとのこと。このような各国でのチャレンジについては、木下玲子氏著の寺子屋グローバリゼーション」に詳しく記載されているとのこと。

 

公文式国際化の成功要因

 

パネルディスカッションの前に、あまりここでネタバレさせてしまってはいけないとは思うのだが・・・。お話を伺って、成功要因の肝と思われることが2つほど心に残ったので、記しておきたい。

 

1)「目の前の子どものために、自分は何をすべきか」という価値観の共有・浸透

 

ご存知の通り、公文式は公文式の創業者である公文公(くもんとおる)氏がその長男のために考案した算数の自習教材が原点。長男の毅氏は、小学校6年生の時には高校2年生レベルの微分・積分を修了するまでにいたったとのこと(私なんて、いまだに微分・積分がどんなものかもあまりピンと来ていなくって、さっきこっそり夫に教えてもらいました・・・)

 

50年以上たった今でも、すべてがこの方式。すなわち、どのレベルでもどの国でも、指導者と学習者は、あたかも親子のような関係。すべての指導者は何か壁にぶつかったら「目の前の子供のためにはどうしたらいいのか」を考える、というのが基本行動として徹底されている。

 

サービスマネジメントの基本は、企業のビジョン・ミッションが明確で、現場で働く従業員にそれが浸透しており、従業員満足度が高くなり、顧客満足度が高くなる、という所謂サービスプロフィット・チェーンといわれる一連の流れが一貫していることである。公文式の場合には、「目の前の子供のため」と思える指導者たちが寺子屋方式で子供達に対面している。そもそも「目の前の子供の成長のために寄与したい」という人々が(どちらかというと自ら志願してきて)指導者をやっている、という所が、強い共通の価値観の源となっている。サービス・プロフィットチェーンが成功している典型的な事例と言えるだろう。

 

これは、受験に勝てる子供をつくる、というのではなく、「”読み書き計算(そろばん)”的な子供の基礎能力を強くすることに寄与したい」という人間の根源的なモチベーションに働きかけるような価値観を「よりどころ」としているからこそ、公文式は国境を越えることができた、というのが一番の肝なのだと、お話を伺って思った次第である。

 

もちろん、「公文式学習法」 の普遍的な競争力、先にのべたような「教育に対する価値観問題」を解決するための手段や、指導者の方々を集めた世界的な勉強会などの「コミュニティー」をつくっていく取り組みなど、いろいろな創意工夫ののしくみにも、グローバルでサービスを展開する企業に参考になることは沢山あるのだと思うが、言うのは簡単だが実行するのは大変難しいと思われる「サービス提供者が、心からビジョン・ミッションを体現している」という所が、公文式グローバライゼーションのKSFだと思う次第である。

 

2)カリスマ経営者からの継承

 

グローバリゼーション、というお題とは、少し違うイシューではあるのだが、もうひとつ興味深い、と思った点は、カリスマ経営者からの脱却、ピンチをチャンスに変えて来られた企業、という点である。

 

同社は、95年に創業者である公文公氏、97年にご長男の公文毅氏がご逝去される、という局面を経ておられる。強い創業者が、歩くDNAとして価値観の象徴となっている企業では、創業者が経営者でなくなった途端、求心力が失われる、というケースは非常に多い。

 

もちろん、公文の場合にも、事業継承の危機はあったのかもしれないが、その後、価値観の共有、言語化、浸透、に着手され、従来以上にグローバリゼーションも含め成長を加速化されている。

 

上記1)のポイントが、創業者が経営者でなくなった後も、強く継承されているわけであり、これがまた、グローバリゼーションを牽引する礎ともなっていると思われる。グローバリゼーションも進む中、経営者継承をどのように行いつつ、価値観の求心力を担保するのか、という点も非常に興味深い点であり、ぜひパネルディスカッションの中で深堀させていただきたいと思っている。

 

***

 

数学先進国として名高い、計算の本家本元の「インド」にすら受け入れられる公文式。パネルディスカッションでは、具体的な事例などについて、大いに伺ってみたいと思って、大変楽しみにしている次第である。

 

プロノバ 代表取締役 岡島悦子

告知:10月20日(土) 日経セミナーでモデレーター 2007-09-30

丸の内キャリア塾のスペシャルセミナーで、パネルディスカッションのファシリテーターをさせていただきます。女性限定とのことですが、無料なのでご興味ある方はぜひご応募ください。

 

丸の内キャリア塾 Specialセミナー10/20:ウーマンパワーが会社を変える〜女性活用企業・キャリア採用の最前線を探る

 

第二部のパネルディスカッションを担当します。内閣府の地域力再生機構の委員会でもご一緒のアビーム M&Aコンサルティングの岡俊子さんや、GEの方とのパネル、ということ。このメンバーだったら、よくある会社宣伝的薄っぺらトークの「弊社は女性活用に積極的で・・・」と言った話ではなく、以下のような話を深堀できるのでは、と楽しみにしています。

 

  • 活躍している女性のどんな具体的事例があるのか
  • 成功事例が輩出されている理由は何なのか
  • 組織として女性を採用・登用する「しくみ(インフラ)」が、どうビルトインされているのか
  • 女性は何が男性と違って、そういった「しくみ」導入が企業に必要なのか、等

 

参加者の皆さんがご自分の置かれている環境と比較できるような材料を抽出し、深堀した楽しい議論を展開できればと思っています。

 

***

 

ちなみに、第一部の基調講演は、大親友の渡辺千賀(さん)。彼女のブログでも、本件既に告知されています。

 

チカちゃんとは、彼女が三菱商事に入社して以来(一応、チカちゃんが後輩)の付き合いで、カレコレ17年。二人の写真が並んだ告知文とかを見ると、なんだか不思議な感じです。

 

アルファブロガーとしても有名な彼女の活躍は、皆さんご存知の通り。で、チカちゃんの後にパネルディスカッション司会というのは、ちょっとやりにくい感じかもしれないなぁ・・・と思っている次第。相当歯切れの良いトークを期待できるものの、一般的女性像とか女性のキャリアとかいうものと「いい意味で」かなりかけ離れた存在なので・・・(お前もだよ・・・と言われそうだけれど・・・)。

 

相当、刺激的な内容が予想されるので、参加される方は、「シートベルトを着用して参加する」くらいの心構えで、第一部を聞かれることをオススメします。

 

それでは、皆さま、会場で。

 

(株)プロノバ 代表取締役 岡島 悦子

 

リーダーシップクラス最終回! 2007-09-29

3ヶ月間講師をしていたグロービスのリーダーシップのクラスが、本日、最終回を迎えた。

 

全6回のコース。今回のクラスは、受講生のメンバーに本当に恵まれ、非常に活気あるディスカッションが繰り広げられ、私自身にとっても非常に学びの多いクラスだった。今までに担当させていただいたクラスの中でも、ディスカッションの内容の活発さ・濃さ・タイミング、が飛びぬけて素晴らしかったクラスである。

 

リーダーシップのクラスでも、もちろん理論的なフレームワークは学ぶ。しかしながら、より重要なのは「いかに当事者意識を持って考え、疑似体験し、実務で実践に落とし込むための意味合いを出せるか」というポイント。

 

今、教える側になってみてあらためて感じるのは、自分がHBSで学んでいた時には、当事者意識を持った「つもり」ではいたものの、自分への落とし込みがいかに足りなかったか・・・ということ。今だったら、もっとお持ち帰りポイントの多い生徒となれていただろうなぁ、と痛感する。それとともに、こうして講師をやらせていただくことで、いろいろな視点を持つ機会に恵まれ、自分自身もリーダーシップについて、より深く考える視点などを得られることも多い。

 

初回のクラスで、クラス共創(クラスの学びは参加者全員で創り上げていくもの)というコンセプトを皆さんに約束していただいたとおり、まさに受講生の皆さんの体験談をクラスで共有し、学びを共創していく、ということができた素晴らしいメンバーだった。このコースは、コースが進むにつれて学ぶべきリーダーシップの目線を経営者目線へとあげていくことが求められるコース設計になっている。こうした中で、経営者という立場を未経験の方々が、目線が「ぐいっと」あがったと思われるようなコメントをしていただいた。

 

また、経験者がどこまで「計画的に」突き放したり悪者になったりという役回りを演じているのか、実は計画的なのではなく、たまたまそう行動した結果が良いほうに転んだのではないか、といった非常に現実的な熱い議論を戦わせていただくことができ、私自身も相当楽しませていただいた。

 

嬉しかったこと

 

今日は最終回ということもあり、クラス後に有志で懇親会が開かれた。(幹事の竹田さんありがとうございます!)レポート提出回ということもあり、実はレポートを書いていて徹夜とか睡眠不足とかいう方もおられたにもかかわらず、沢山の方に出席していただき、昼間でお酒も飲んでいないのに「この盛り上がりは何???」というほど楽しい懇親会だった(徹夜だからこそハイパーという方も(笑))。

 

そんな中、予想していなかった嬉しいことが・・・。受講生の皆さんから「記念品」をいただいた!のである。記念品は、「カエルのティッシュケース飛行機型のタイマー」。実は、両方ともケースの内容にちなんだものであり、感動。(岡本憲一さん、本当にありがとうございます!)

 

クラスの中で、「変革をリードする阻害要因となるもの」という話の中で、「ゆでガエル 」のエピソードを紹介したが↓

 

frog1.JPG

 

このカエルはそれにチナンダもの。ちなみに、ゆでガエルというのは、カエルは熱いお湯に急に入れるとビックリして飛び出すが、水から煮ると沸騰しても気づかずに茹ってしまう・・・ということらしい(実験したことはないです)。組織も急激に悪化するのでなく、ジワジワと悪くなっていったりすると、中にいる人間は自ら気づくことができず、対処できない、ということを「ゆでガエルになってしまっている人」と称する、というもの。経営共創基盤の冨山さんは、これを「習慣の奴隷」と呼んでおられる。

また、飛行機のほうは、第一回のスカンジナビア航空のケースでカールソンCEOが変革のビジョンを社員に説明した飛行機の絵にとても似ている・・・ということで選んでいただいたもの。

 

どちらも、皆さんのクラス討議を思い出させるモノであり、本当に嬉しく思った次第。(不審がられるかもしれませんが、10月期のクラスにも持ち込んでみようと思います。)

 

OBH 7月期 Dクラスの皆さんへ

 

7月期OBH Dクラスの皆さん、本当にありがとうございました!、クラスの学びが実践で使われた話を伺いたいので、少したったら、ぜひ飲み会(Day 7)を開催しましょう。

 

クラスの最後にメッセージとしてお伝えした「チャンスの女神には前髪しかない・・・」というフレーズ。時々思い出していただければ嬉しいです(川口順子先生も信条とされている とおっしゃっていました・・・)

皆さんが、素晴らしいリーダーになられることを心から応援しています。

 

(株)プロノバ 代表取締役 岡島悦子

サマーダボス2007@大連(その1) 2007-09-14

9月6日から8日まで、ダボス会議を主催する世界経済フォーラム(WEF)*のInaugural Annual Meeting of the New Champions 2007(通称、サマーダボス)に出席した。

 

様々なジャンルで世界を牽引するリーダー1700人が中国の大連に集結。非常にinspireされglobal×leadership×innovationということについて、あらためて深く考えさせられたので、ここにアップしておきたいと思う。

 

サマーダボスとは

 

いわゆるダボス会議は、毎年1月にスイスのダボスで開催されているが、グローバルに成長すると期待される企業などを集めたNew Champions(日本語で言うと「新興」っていうイメージだろうか・・・)会議を、今年から新たな試みとして始めてみたというもの。BRICsなどの成長は著しく、グローバルにおけるインパクトが今後益々大きくなると想定されることから、WEFが開催に踏み切ったもの。

 

そういった文脈から、今回の会議は成長の象徴とも言える中国で開催されたというものである。温家宝首相は、夏ダボスは毎年中国で開催される予定、とスピーチで述べておられたが、年1回の開催は予定されているものの、ずっと中国であるかは未定らしい。(来年は天津とのこと)。

 

世界90カ国から1700人ものリーダーが集まるという盛況な会議である。日本からは、川口順子氏、竹中平蔵氏、黒川清氏、石倉洋子氏などの政界・アカデミアの方々、大企業の経営者に加え、マネックスの松本大氏、ザインエレクトロニクスの飯塚哲哉氏、グロービスの堀義人氏などベンチャー企業の経営者、投資家などが参加した。

 

私自身は、今年WEFからYoung Global Leadersに選出していただいた為、その一貫として参加させていただいたというもの。

 

Dalian057.jpg

 

(会議場の前。とにかくとてつもなく広い会議場。セキュリティーが異常に厳しく、首からかけているIDタグを各会場入場時に専用機にかざし、写真照合で入場が許可される。)

 

リーダーシップ2.0

 

今回いくつもの有意義なセッションに参加することができた。すべてのセッションは、メディアでもカバーされ、また、ウェブキャストでも閲覧可能となっているので、ご興味のある方はぜひご覧いただきたい。

 

著名なリーダーが出るセッションは沢山あったのだが、実は今回、最もinspireされたセッションは、"Leadership 2.0"というセッション。急遽増設となったセッションである。
Leadership 2.0

 

Friday 7 September 11.30-12.30, World Expo Center, Davos Room

 

Panelists:

 

Julie Louise Gerberding, Director, Centers for Disease Control and Prevention, USA

 

Paola Aotonelli, Curator, Department of Architecture and Design, Museum of Modern Art

 

Annie Young Scrivner, CEO, Pepsi Foods, China

 

Zanab Salbi, President and Chief Executive Officer, Women for Women International, USA

 

Moderator:

 

Christine Ockrent, Editor-in-Chief and Author, France 3, France

 

Dalian047.jpg

 

パネリストのバックグラウンドが、医者、MOMAの美術館員、米国企業の中国トップ、NPO代表と多岐にわたり、多様な領域におけるリーダーシップのパラダイム変化について討議する、ということなので、参加してみた。会場に入って驚いた。パネリストは、モデレーターも含め、5人とも女性。「女性のリーダーシップのセッションでしたっけ?」ともう一度アジェンダを見てみるが、そうではない。実は、名前を見ずに、パネル趣旨とパネリストの役職だけを見て参加してみたら、全員女性だったということである。

 

日本では女性フォーラムといった趣旨の会議でない限り、パネリストが全員女性などということは、ありえなさそうだが、WEFのような国際会議でも非常に珍しいケースだと思われる。アジェンダは以下の通り。
1) What new skills are needed to master leadership - How does good become the best?

 

2) How do today's leaders strike the right balance between soft and hard power?

 

3) What lessons are learned from the new generation of leaders? What were the mistakes of the preceding generation?
水平型リーダーシップ

 

特に議論の中で興味深かったのは、「なぜ今、ソフトなリーダーシップが必要とされてきているのか」という部分。国際疾病センター長のJulie曰く、SARSなどの新種のウィルス感染病や化学兵器によるテロなどの対応におけるリーダーシップの場面では、政府関係者、軍、医療専門家等、多様な機関に属する各種専門家が急遽集められる。各々違う組織から派遣されてきており、緊急時組織のため、指揮命令系統は決まっていない。このような状況の中で、早急に情報を収集し、意思決定し、対応していくことを迫られる。一国の中で解決できない問題も発生する。

 

意思決定権限を持った管理者からの指揮命令系統に従うといった、旧来型の垂直型リーダーシップ(Vertical Leadership)は、多様な組織が協調して、早急に結果を出さなければならないような状況においては、機能しない。ここで必要なのは水平型リーダーシップ(Horizontal Leadership)というものである。

 

Horizontal Leadershipにおいては、協調とコミュニケーション(Collaboration & Communication)が鍵である。早急に妥協点を探っていくプロセスが必要になり、そのためには自己の主張をすることのみならず、「傾聴」して情報をいかに相互に吸収していく(not only articulating but also listening)ということができるかが必要、というもの。

 

こうした局面では、権威・権限に依拠するハードなリーダーシップと、人間力によるソフトなリーダーシップとを、文脈に合わせ使い分けていく、メタ的リーダーシップスタイルが必要になるというもの。この文脈を正しく見極め、リーダーシップスタイルを使い分けていく能力こそが、今後リーダーに求められる資質ではないか、との議論である。

 

この話、私にとっても、非常に腹落ちの良い議論であった。以前から旧ブログでも書いているように、私は企業という組織の壁が薄くなり、企業の壁を超えた「プロジェクト型組織」が増加する傾向にあると思っている。ハリウッドはこの典型事例ではあるが、日本でも、LLPなど目的にあわせて組織を組成し、目的達成後には解散するというプロジェクト型組織が増えている。

 

この肝は、違う専門性とバックグラウンドを持った人材が、一時的に集積するというところである。こういった組織の場合には「権威」とか「あ・うんの呼吸」といったものは通用しない。言葉にすると陳腐に聞こえるが「コミュニケーションの重要性」がまさに問われる。短期間に凝縮されたコミュニケーションを尽くし、共通の利益と目的に向かって結果を出すことが求められる。

 

興味深いのは、「強い(ハードな)リーダーシップ」が求められがちな、アメリカ人の政府機関においても、「水平型の組織では、場面によってソフトなリーダーシップが求められる」という論点であろう。ハードなネゴシエーションによって自己の利益を勝ち取るといったタイプのリーダーシップだけでなく、ソフトなコミュニケーションによって妥協点を見出していくというタイプのリーダーシップのことである。ハードなリーダーシップとソフトなリーダーシップのどちらかが良いとか、どちらが自分のスタイルである、といった二元論ではなく、両方を使いわける必要性をアメリカ人が現実感を持って語っている部分である。

 

日本でも、水平型リーダーシップの必要性は、今後、増加するのではないかと思われる。例えば、私は、現在、PEファンド経由や、経営共創基盤など、再生の局面に経営チームで入っていく方々の採用や育成のお手伝いなどをさせていただいている。経営チームが、資本の過半数を握らずに経営の現場に入っていく場合には特に、ここで言う「水平型リーダーシップ」的なアプローチが必要になってきていることを痛感する。

 

会社更生法に追い込まれている企業のように、危機感の真っ只中にいる企業でない限りは、日本の伝統的な企業には、資本の理論を前面に出したハードなリーダーシップだけでは、なかなか変革は進まないように見受けられる。企業の合従連衡が進んだり、プロジェクト型組織化が進んだり、と水平型リーダーシップが求められる局面は、今後益々増加する予感がしている。

 

水平型リーダーシップ、という概念について、今回は考えるきっかけを与えてもらったと思っている。権威によらないリーダーシップにおいて、成功の要件は何なのか、リーダーに求められる資質は何なのか等、今回の議論では結論までは導き出せていない。ただ、今後いろいろと考えるための大きなきっかけとなるセッションに出席できたという意味で非常にinspiringであった。本ブログでも、この水平型リーダーシップについては、今後もホット・テーマとして追いかけてみたいと思う。

 

・・・と、あいかわらずの長文になってきてしまったので、global×leadership×innovationについては、次号に譲りたいと思う。

 

(株)プロノバ 代表取締役 岡島悦子

ヘッドハンター岡島悦子のインサイト、新装開店! 2007-09-10

みなさま、大変ご無沙汰しています。ヘッドハンター岡島悦子です。

 

以前のブログでもご挨拶させていただいた通り、6月末でグロービス・マネジメント・バンクの代表を退任し、グロービスのフェロー(顧問のようなもの)となりました。

 

一方、「”経営のプロ“創出支援」については、引続き、今まで以上に積極的に活動していこうと考え、個人事務所的シンクタンクである株式会社プロノバプロの「場」、の意味)を立上げました。

 

引き続き、経営者の皆様とディープにディスカッションさせていただく日々を送っていますが、「経営者人材が本当にいない」というベンチャー企業や再生中の企業の経営者、あるいはファンドの皆様からの相談件数は激増しています。

 

しかしながら、「いない」とばかり嘆いていても、問題の解決には繋がらない。「即戦力の真の経営者」は極少数で、この方々を取り合う戦いだけでは消耗戦だし、実際に絶対数が足りない。「即戦力の真の経営者」だって最初から「即戦力だったわけではないだろう」と、6年にわたるヘッドハンター生活の中で痛感してきた訳です。

 

また、最近、海外で活動することも増えてきていますが、「日本人(特に若手)にはリーダーシップが感じられない」と海外から言われることにも、正直強い危機感と辟易とした気持ちさえ感じています。

 

私自身は、ヘッドハンティングの現場での経験を通じて、”経営のプロ“に化ける可能性のある方々に、「経験」という機会を提供し、化けた方々を事例として発信し、その事例を見て次に続く人が増える、というアプローチでしか、”経営のプロ“は増えない、と思っています。

 

そこで、”経営のプロ“に化けそうな方々を発掘し、啓蒙し、経営者の皆様にも協力していただいて「経営者としてチャレンジする機会(最初の藁しべ)」を創出する、という活動と、その事例をコンテンツとして発信する、という活動を加速したい!と思い、プロノバを立ち上げた、という訳です(文末の「プロノバとは?」もご参照下さい。)

 

「今までの岡島悦子の活動と何が違うのか?」

 

といえば、延長線上ではあるのですが・・・。今まで以上に「キラッと光る事例を創り出す」ことにフォーカスしたいと思っています。

 

その文脈もあり、元産業再生機構COOの冨山さんが立ち上げられた株式会社経営共創基盤のアドバイザーにも就任させていただきました。経営の現場に派遣される経営者人材を発掘し、強化するサポートをさせていただいています。まさに、”経営のプロ“を共創し、ここからも良い”経営のプロ“事例がどんどん輩出されることを目指したいと思っています。

 

経営者の皆様、そして、経営者を目指される皆様との、益々濃いおつきあいが深まりそうな、ワクワクする日々を毎日送っています。

 

このブログでも、
  • 「経営のプロを創る現場では何が起きているのか」
  • 「そのような現象が起きているのは、なぜなのか」
  • 「そこから、どのような兆候・潮流(トレンド)が見えるのか」
  • 「これから”経営のプロ“を目指す人にとって、どんな意味があるのか」

 

などを、私なりの視点から、斬っていきたいと思っています。 また、ステキなリーダー・経営者にお会いすることも多いので、そこで感じたこと、などもアップしてきたいなぁと思っています。旧ブログよりも、「更新頻度をあげること!」を、自分への戒めとしても、ここでお約束しておきたいと思います・・・。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 

株式会社プロノバ

 

代表取締役社長 岡島悦子
プロノバとは

 

プロノバは、「Human Capital シンクタンク」です。

 

私たちは、“経営のプロ”の需要、チーム経営の需要、が今後急速に高まるであろう、という将来仮説を立てています。

 

一方、現在、”経営のプロ”の絶対数も、ロールモデル的事例も、不足しています。このGAPの課題解決方法の提言が、プロノバのミッションです。

 

特に、平均15年以上かかっている“経営のプロ”への到達期間を、3分の1=5年程度に短縮する、という命題にチャレンジし、解決方法について提言してまいります。

 

プロノバがきっかけで”経営のプロ“となった、という先端事例を5年以内に輩出。”経営のプロ“創出を加速化する活動を行ってまいります。

 

会社名「プロノバ」の由来

 

会社名プロノバは「“経営のプロ”の集まる“場”」を意味。この会社名は、日本に“経営のプロ”が集積したマネジメント・プールを創り上げたい、という理念に由来しています。

 

また英語名のProNovaのNovaは、ラテン語で「新星」を意味。“経営のプロ” のスター的事例を輩出することを目指す意味も込めた会社名です。

グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役退任のご挨拶 2007-06-27

「ヘッドハンター岡島悦子のインサイト」をご愛読いただき、ありがとうございます。

 

エントリーの頻度が下がっているにもかかわらず、知人友人だけでなく、セミナーや講演などで初めてお目にかかる方からも「読んでますよ〜」と言っていただき、本当に嬉しく思っております。

 

さて、そんな中、突然のご案内で恐縮ですが・・・、本日から正式にご挨拶のご連絡を始めたこともあり、本ブログをお読みいただいている方にも、ご挨拶をさせていただこうと思います。

 

***

 

私儀、このたび2007年6月末日を以って、潟Oロービス・マネジメント・バンクの代表取締役を退任することといたしました。

 

お蔭様で、弊社も順調に業績を伸ばし、「経営のプロ」人材に活躍の機会を創りだすパートナー企業として、広く認知していただけるようになってまいりました。これも一重に皆様方からの温かいご支援の賜物と心から感謝し、多大なるご支援に深く御礼申しあげます。

 

「真の経営のプロ人材を創り出す基盤となる」という高い目標には、まだまだ到達できてはおりませんが、それに向けての成果の萌芽としくみ創りができてきており、私自身は5年半の弊社での活動を経て、一定の役割を担い終えたのではないかと考えております。

 

また、極めてプライベートな一身上の都合から、時間確保の自由度を上げざるを得ない事情もあり、組織の損益責任を担うことが適切でない、と考えたことから、今回辞任の意思を固めた次第でございます。

 

新年度7月以降は、グロービスグループ代表の堀義人が、弊社代表も兼任させていただきます。全スタッフが一丸となり、益々のサービスの充実と、先の目標達成を加速化させていく所存でございます。今までにも増したご厚情とご支援ご鞭撻を賜りますよう、心からお願い申しあげます。

 

私自身の7月以降の活動でございますが、潟Oロービスの講師・フェローとして、また弊社のシニアアドバイザーとして、弊社を側面支援していく所存でございます。今後も、電話番号もe-mailのアドレスも変更なく、ご連絡いただけるようになっております。

 

>今後とも、いろいろなご縁でお世話になることも多いかと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

***

 

本ブログ「ヘッドハンター岡島悦子のインサイト」につきましては、もう少しだけ、この形で続けさせていただこうと思っています。

 

近々、新規にブログを立ち上げていくことになる予定です。その場合には、もちろん今まで以上にパワーアップした内容にしなければならないとも(頻度も!)思っています。新しいブログが決まりましたら、本ブログでもご案内させていただきますので、その際にはまた、ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 

それでは、今後とも、潟Oロービス・マネジメント・バンクをどうぞよろしくお願いいたします。

 

2007年6月27日

 

株式会社グロービス・マネジメント・バンク
代表取締役 岡島 悦子

 

司会させていただきました@『小泉純一郎・川口より子 環境を語る』 2007-06-06

6月5日は全世界的な「世界環境デー」。

その前日である、昨6月4日、
川口順子参議院議員とのグロービスでの対談やダボス会議などのご縁で、講演会『小泉純一郎・川口より子 環境を語る』 で司会をさせていただいた。


政財界からのご来賓も、全国からの後援者の方々も、沢山のマスコミも駆けつけ、1200人にも上る方々が集まる大盛会だった。


お恥ずかしながら、政界と遠い世界で生きている「政治ド素人」の私は、秘書の方から依頼をいただいた際には、「大ファンの川口先生からのご指名なのでお引き受けしよう」という、非常に安易な気持ちでお引き受けした次第。


だが、期日が近づいてきて、打ち合わせなどさせていただくと、さすがの私にも、だんだんとコトの重大さが見えてきた。この講演会は、川口先生にとって、参議院選挙前の非常に重要な講演会であること。総理退任後、公の場での講演を控えられていた小泉前総理が「川口さんだから」と、退任後初めて講演される公の席であること。1000人以上の方々がご参集されること、等々・・・。


毛の生えた心臓を持つ私も、リハーサルをしてみたところで、さすがに(珍しく)緊張。


「プロの司会者じゃない私を指名されたのだから、ここは素人らしくノビノビやるしかないんじゃないか」などと自分で言い聞かせてみる。しかし、マスコミでしか拝見したことのないような政界の大物の方々から、祝電の山が届くたびに、また心拍数がアップ(涙)。


ところが・・・
開会直前、VIP控え室で、川口先生が小泉前総理とサントリーの佐治社長(川口先生の後援会一七会会長)に、「今日司会をしてくださる岡島さん。岡島さんはダボス会議のYoung Global Leadersで世界の250人の一人に選ばれたんですよ」とご紹介くださった。


小泉前総理が「女性は実にパワフルに活躍しているねぇ」とコメントしてくださり、握手。単純な私は一気にパワーをいただき、とにかく、いらした皆さんが元気になる「楽しい会」になるように私なりに努力しよう、と誓った次第。

1101_04


***

講演会の内容については、各種マスコミにも大きく取り上げられているので、割愛させていただきたい。ここでは、司会をさせていただいたこの機会に考えた「リーダーシップ」について、少しだけエントリーしておきたい。


一つ目は、川口先生のグローバル・リーダーシップ


EUからもアメリカからも、そして中国、インドなどからも日本が「環境先進国」として尊重・尊敬される背景には、京都議定書をまとめ上げる等、数々のタフな国際交渉の場での川口先生のご貢献あってのこと。経済発展と環境配慮の双方の問題解決を成し遂げるチエと実績をお持ちだからこそ、世界から必要とされている。2013年以降の国際的な枠組み作りにおいても、ますます強いイニシアチブを推進されるとのことである。本当に世界で通用するリーダーシップの本質とは何か、を深く考えるヒントをいただけた。


二つ目は、小泉前総理の人を魅了する力(チャーム)


20分という短い時間ではあったものの、小泉前総理は「弱みを強みにする政策をとるべき」という強いメッセージを繰り返し発信しておられた。資源のない国=日本だからこそ、それを逆手にとって環境大国へ。本当にメッセージがわかりやすく、伝わりやすい。ユーモアを交えながら、時にストレートに、一方では事例や喩えをちりばめながら、同じメッセージを送り続ける。そのわかりやすさとチャーミングさに、ついつい皆、引き込まれる・・・


トークがうまいとかコミュニケーション能力が高い、とかというレベルの話ではない。わかりやすいシンプルな強いメッセージを繰り返し投げかけることで、人の心は動き、モチベートされるのだな、と小泉前総理の3メートルくらいの距離で体感して、心から実感した次第。


三つ目は、アカウンタビリティー


川口先生は、この講演会で初めて、ご自身が「ギラン・バレー症候群」という難病であることを明かされた。そしてこの病気が克服可能な病気であること、実際に克服された川崎重工の田崎会長からも激励の一言もいただきながら、真摯にご自身の想い、そして病気を克服し益々政治の世界でリーダーシップを取られる熱意をお持ちであること、を皆さんに宣言されておられた。


正しいアカウンタビリティーを持ち、多くの人から応援され、益々リーダーシップを発揮する。ここにも、リーダーシップの本質を見たような気がしている。


今回は、政治の世界とは遠いところにいる私が、二人の素晴らしい真のリーダーに、身近に触れる機会を持たせていただく、という本当に素晴らしい経験をさせていただいた、と心から感謝している次第である。


グロービス・マネジメント・バンク
代表取締役 岡島悦子

告知:なぜ今「超」一流人材がユニクロに集結するのか 2007-06-04

先日のNILSでも「徹底討論:経営トップの役割」というパネルを企画・実施させていただいたが、今、私の中では「経営トップがその企業に及ぼす影響」というテーマがホット。


新興市場の株価低迷も叫ばれており、四半期決算に追われる公開企業の経営トップは、常に資本市場にさらされている。


「誰をバスに乗せるかが重要だから、ビジョンの明確化、理念浸透が重要」と頭ではわかっていても、直近の売上づくり、資金繰り、にどうしてもマインドシェアーを採られがちになり、ついつい「長期のことが後回し」というのが実態、という経営者も少なくないようである。


こうした状況の中、「世界一」となることを目指し、既に成功している自社の製品やサービスさえも否定し、より高みを目指し、事業を新たに「再定義」「再構築」していくことは、非常に難しいことである。社内外から「今、うまくいっているのに、あえて新しいことにチャレンジしなくても・・・」という反論をうけるわけである。


こうした時、「先見性」と「ブレない信念」を持った経営トップが存在しているかが、「革新的挑戦(破壊と創造)」を繰り返しながら

good company から great company 

と変容できる企業の要件、のような気がしている。特に、株式の過半数を持っているようなオーナー経営者であれば、「会社は誰のものか」的な所謂エージェンシー問題も発生せず、革新的挑戦を英断できるのである。


加えて、これが創業経営者であれば、なおさらである。「理念の浸透」に頭を悩ませる経営者も多いが、「世のために●●●を提供したい・・・」と起業したアントレプレナーはそもそも「理念の塊」である。「どう考えても達成は無理だろう」思われるような長期目標の成功を、心の底から信じている。


企業の「歩くDNA」であり、理念の体現者。スティーブ・ジョブスがいるだけで、アップルは元気になるのだろう。あくまでも仮説でしかないが、「なぜi-Podはソニーで生まれなかったのか」のヒントはここにもあるような気がしている。


***


さて、前置きが非常に長くなったが、今回の「少数精鋭限定セミナー」は、上述のgreat companyへの変容中のユニクロ、をとりあげる。


セミナータイトルにもなっているが、実はここのところ、ユニクロ(ファーストリテイリング)に「超」一流人材といえる方々が集結している。「日本発の世界級のgreat company」を創りあげるという企業ステージに同社があり、前述のような目線と志の高い「創業経営者」が現存していることで、Great companyになれる成功確率が極めて高い、というこの稀有な成長機会、を発見し、ここ1年くらい、超一流人材がどんどんと集結しているのである。


今回のセミナーでは、同社にこの1年以内に入社され、柳井会長の近くで働く「超」一流人材のお二人にご登壇いただき、この「稀少な成長機会」の実態について、斬りこんで伺っていく予定。

  • 「創業経営者と働く意味合い・醍醐味はどこにあるのか」
  • 「そうは言っても創業経営者と働く功罪もあるのではないか」
  • 「そうは言っても、今さらユニクロ?」


などと思っておられる方、ぜひご自分の目で確かめにいらして下さい。既に応募多数にはなっておりますが、厳正なる抽選を行わせていただきますので、ぜひぜひご応募下さい。


グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子


(以下セミナー概要)

【少数精鋭限定セミナー】

なぜ今「超」一流人材がユニクロに集結するのか
〜創業経営者が創出する高次元の「革新と挑戦」という環境〜

■ 開催日時 2007年6月24日(日)14:00〜16:30終了予定(開場 13:30〜)

■ 場 所
グロービス東京オフィス 101/102教室

■ プログラム

第1部: 【対談】 ファーストリテイリング 執行役員 グループCFO 吉高 信氏 × グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島 悦子
第2部: 【対談】 ファーストリテイリング グループ事業支援部部長 佐藤 崇史氏 × グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島 悦子
第3部: 【パネルディスカッション】 パネリスト:  ファーストリテイリング 執行役員 グループCFO 吉高 信氏  ファーストリテイリング グループ事業支援部部長 佐藤 崇史氏 モデレーター:  グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島 悦子

■ 参加対象者 

- 27歳〜35歳位までのビジネスパーソンの方
- 自律的にキャリアを構築し、スピード早く成長できる場を求めている方
- 世界レベルのキャリア作りにご興味をお持ちの方
※ 現時点でのファーストリテイリング/ユニクロへの応募意思にはこだわりませんが、同社でのキャリアづくりにご興味のある方にぜひご参加いただきたいと考えております

■ 定 員 80名 (応募多数の場合、申込締切後に抽選とさせていただきます)

■ 参加料 無料

■ 申込締切 2007年6月13日(水) 正午

■ 申込方法

GCS会員ページの「キャリア・デザイン・セミナー」のコーナーより、お申込ください

影のステークホルダーの逆襲 2007-04-20

売り手市場がここ2年くらい続いている。今週のカンブリア宮殿 でも、新卒の売り手市場の話が話題になるくらい。マスコミが取り上げるということは、本格的な「超売り手市場」なのか、それとも、そろそろ売り手市場もピークアウトするということなのか・・・

”経営のプロ“を目指す人々の中途市場もにおいても、異変が起きている


***


優秀な人材が市場に出て来にくくなってきたのは、今に始まったことではない。潜在転職層*を顕在化する、という関心喚起が今まで以上に必要となってきている。弊社でもこの関心喚起活動にますます注力することとなる。

*潜在転職層=「より成長できる良い機会」があったら「いつか」転職を検討してみたいという志向の人材セグメント

が、異変、といっているのはこの動きのことではない。「オファー辞退急増」という現象こそが、今起きている異変である。

関心喚起し、個人の志望度をあげ、面談を重ね、企業と個人双方の期待値が合意、「いざ、オファーレターにサイン」という場になって・・・「辞退」。この率が増加しているのが、異変である。

ちなみに今までは、オファー辞退の主な理由は、以下のようなものであった。

  1. 上司から強く慰留され、(社内異動や昇進を持ちかけられ)会社に残留
  2. 転職することを友人やメンターに相談したところ、「それなら自分と一緒にやらないか」と強く誘われ、そちらに行く(← ヘッドハンター的には、せっかく関心喚起をしたのに「鳶に油揚げ」・・・本当に手痛いです(涙))
  3. 他のオファーとの比較検討の結果、自分にとってより魅力的な他のオファーを受諾
  4. 自分の志向・適性を再度、冷静に考えなおしたところ、この機会ではないとの結論に至る


しかしながら、今、起きている異変は上記の理由ではなく、「家族の反対を説得できないため」という辞退理由が急増していることにある。特に多いのが、「配偶者(特に奥様)、配偶者の親」の反対。私はこれを「影のステークホルダーの逆襲」
と呼んでいる。


特にここの所、転職と結婚のタイミングが重なるような候補者も(なぜか)多く、配偶者の親が反対していて説得できず「辞退」という事例も増加している。

経営者の中には、「家族も説得できないようでは、仕事上でもヒトを動かすような仕事はできないだろうから、そのような人は、こちらからも願い下げ」といい放ってしまう企業もおありのようである。しかしながら、せっかく多額の採用コストをかけて相思相愛の状況まで持っていった候補者を、最後の最後で逃すことは、どう考えてもモッタイナイ。


今、この異変が起こっている理由とは何だろうか。

このブログでもよく書かせていただいているが、”経営のプロ“を目指される方々は、「早回しで成長できる機会」「修羅場で経験を積める機会」「素晴らしい経営者の側近で働ける機会」など、稀少な「経験を買う」機会の獲得を希望しているケースが多い。

一方で、景気も回復してきており、年収レベルも全体的に回復傾向にあることから、ご家族的には今の環境に「不満はない」というケースが多いのではないだろうか。したがって、ご本人が「経験を買う絶好の機会」と思っていても、ご家族としては「年収ダウン」「企業のブランド認知の低下」「安定性への不安」「多忙さへの不安」が、懸念事項となり「反対」にまわることは想像に難くない。表にすると↓のような感じ。

       本 人                   家 族            
新しいことにチャレンジする期待     <   現状維持することの楽さ
成長を感じられない不安・喪失感       <   新しいことにチャレンジする不安


私の仮説は、景気回復という環境下、上記表の「本人」と「家族」の志向のギャップが拡大しているのではないか、というもの。

もちろん、その企業・案件に対する情報格差が一番のギャップの原因であることは間違いない。しかしながら、少し安定してきた時代だからこそ、
キャリア観・志向、といった部分について、個々人の持つ「価値観」の格差が拡大してきているのではないか、そして家族だからといって必ずしもその価値観を共有しているとは限らないのではないか、というものである。

 

***
 


私たちヘッドハンターは、候補者に最初にお会いした時点で、その方の意思決定方法を探ろうとする。今までの転機において、どのような方法で意思決定してきたか等を質問し、意思決定方法のパターン、その背景にある価値観、を抽出するようにしている。


ただ、最近はコレだけでは十分ではないと思っている。上記のように、意思決定の「影のステークホルダーがだれか」を探ることも、今まで以上に重要になってきているのではないか、というのが現在の肌感覚である。意思決定に重要な影響を与える人はだれか、どんなイシューがありそうなのか、を事前に想像し、仮説を持って情報提供をしていくことが必要になるだろう。


個人のプライバシーに深く関連する部分なので、あくまでも「差し支えない範囲で」伺う必要があるが、ご家族の状況・財務状況など(転勤可能性、住宅ローンの有無、養育費・高額な学費の必要性等々)についても、伺える範囲で伺うようにしている。弊社のように、候補者の方と長い間お付き合いをし、キャリアについて定点的にご相談にのる、というスタイルであれば、候補者と信頼関係を構築することができ、こういった部分についても伺うことが可能となる。


日本のビジネス慣習では、特に個人的な金銭に係わる部分については、最後までなかなか切り出されないことが多い。転職活動の場でも、オファー条件が出たところで、双方の期待値の相違に驚愕する、といったこともないわけではない。特に、既存のポジションではなく、「経営者のポジションを創りだす」といった際には、企業側にも個人側にも「ものさし」がない場合が多く、期待年収に乖離が見られることも多い。


***


上述のように、せっかく(経営者の時間的コストも含め)採用コストをかけて、オファー提示までいった候補者に、候補者のステークホルダーの説得も含め「気持ちよく」入社にいたっていただくためには、企業側は今まで以上に、「影のステークホルダー」対策を考慮することが必要になってきている。


具体的には、上述の意思決定のキーとなると思われる事象において不足している情報や、懸念事項の要因になっていると思われる点についての仮説を持ち、それを打破するような情報提供をしていく、という打ち手となる。すべてにおいて、「情報格差」がキーワードになるため、候補者及び影のステークホルダーの意思決定にとって「有益な情報」とは何か、という仮説を常に考え、提供していくことが必要になる。


例えば、べンチャーというものに対する不信感、株主(例えばファンド)に対する懸念、業界に対する不信感、経営者に対する不信感、ビジネスモデルに対する不信感、といったものを覆すための情報を逐次提供していくこと、またそれを候補者がステークホルダーに対し説明しやすい形の情報提供といったものが必要となる。


経営者、会社側は「暗黙の前提」と思っている事象についても、実は候補者やステークホルダーが正確に理解できていないことも多い。こういった事象を明確に説明することだけで、候補者・ステークホルダーの安心感を醸造し、オファー受諾の歩留まりを上げることもできるのである。


弊社でも、候補者の方が家族会議で説明されるための資料を作成したり、場合によってはご家族に対してお電話で説明をさせていただいたり、というケースで成功を収めている事例も出てきている。

どうやら、新卒採用の世界でも同様の事象がおきているようであり、各社は、親に対する会社説明会や、社長本の発刊、社長のテレビ出演など、様々な手法で「影のステークホルダー」への情報提供方法、信頼度の醸成、を画策しているともいえる。


中途採用市場においても、マス向けの打ち手である必要はないものの、企業側からの(あるいはエージェントを介しての)「情報格差を埋めるための努力」が今まで以上に重要になっている、ということを指摘しておきたいと思う次第である。


グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

【御礼】リプラスセミナー:定員の3倍の応募あり 2007-04-20

リプラス姜CEOをお迎えしての弊社、少数精鋭限定セミナー ですが、来週の応募締切(25日(水))の前ではありますが、定員30名に対し、既に3倍の90名の応募となっております。

既に定員を超えての応募多数となっておりますので、大変恐縮ながら、抽選とさせていただきますが、水曜日まではまだ応募受け付けておりますので、ご興味のある方は早めにご応募いただければ幸いです。

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

少数精鋭限定セミナー:リプラス姜CEOが語る「成功の必然性」 2007-04-13

このブログの読者の皆さんは、よくご存知の会社だと思うのですが・・・、弊社が今、「”経営のプロ”を創り出す場」として、最も注目している企業のひとつが株式会社リプラス です。

そのリプラスの姜CEO
元BCGのトップコンサルタントであり、ドリームインキュベータの創業メンバー)をお迎えして、

「イケテル若者のみに、革新的経営者が語り、本質的なメガベンチャーになる企業で働くことの意味合いと凄さ、を体感する」

との趣旨で、席数30名の少数精鋭限定セミナーを展開してみることにいたしました。姜CEOと若手マネジメントメンバーの方々と、極めてインターラクティブに討議していただける場をご用意したいとの想いから、敢えて小規模セミナーにしてみた次第です。


【少数精鋭限定セミナー】

「巨大市場創出を『必然の成功』と語るベンチャー創業者の視点」
 〜潟潟vラス、BCG出身CEOによる「メガベンチャーへ大化けする企業」で働く意味〜
 


【開催日】       2007年5月11日(金) 19:00〜21:30
【会 場】        グロービス東京オフィス102教室
【パネリスト】   株式会社リプラス 代表取締役CEO 姜 裕文(かん ひろふみ)氏

株式会社ボストンコンサルティンググループに入社し、消費財・IT・ハイテク産業を中心にコンサルティングを実施。1998年、平和株式会社取締役に就任 し、メーカー部門にて生産改革およびグローバル展開を指揮。00年ドリームインキュベータ創業に参加し、執行役員に就任。消費財・ブランドメーカー中心に コンサルティングを行うかたわら、日本企業の中央研究所の技術の商品化やベンチャー企業のインキュベーションも主導。02年9月、株式会社リプラスを創業 し、代表取締役に就任。東京大学経済学部卒業。


【モデレーター】株式会社グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島 悦子
【参加対象者】
                        -
25歳〜32歳位までの若手ビジネスパーソンの方
                        -
自律的にキャリアを構築し、スピード早く成長できる場を求めている方
                        -
急成長企業での事業開発・組織開発・経営企画・投資業務に興味のある方
【定 員】        30名(応募多数の場合、申込締切後に抽選とさせていただきます)
【参加費】       無料 
【申込締切】    2007年4月25日(水)正午
【申込方法】    GCS会員ページの「キャリア・デザイン・セミナー」のコーナーより、お申込み下さい。


当セミナーは、弊社サービス「グロービス・キャリア・ソリューション(GCS)」会員様向けのものとなっておりますため、セミナーへお申込みいたあくにはGCSへの会員登録(無料)が必要です。GCS会員登録がお済でない方は、お手数ですが、こちら よりご登録下さい。

本セミナーは、参加者申込多数の場合には抽選とさせていただきます。セミナーに当選された方には受講表をメールにてお送りさせていただきますので、内容をご確認の上、当日受講表をご持参いただければと存じます


【セミナー概要と開催背景】

  • 急成長できる環境に自分を置き「3倍速で成長してみたい」と思ってはいませんか?
  • 一方で、スピード早く成長できるベンチャー企業に魅力を感じつつも、ベンチャー企業の成功確率という観点から、企業 選択、経営者選択の難しさを感じていませんか?
  • また、ベンチャー企業ではスケールの大きな仕事ができないと思っていませんか?

今回の「少数精鋭限定セミナー」では、巨大な10兆円市場である日本の家賃流通市場に革新をもたらし、メガベンチャーへの急成長を遂げている株式会社リプラスの姜CEOをお迎えします。「巨大な規模の仕事を取り扱う環境の中で、自己の急成長を実現できる」という稀有なキャリア機会を事例ベースでご紹介させていただきます。

リプラスは、不動産業界の既成概念を塗り替え、次々と市場創出を行い、2年で上場、5年で200億円超の売上、50億円の経常利益の企業へと急成長を続けて います。姜CEOは、この急成長を「"必然の成功"、数年で不動産業界のインフラとなるメガベンチャーへと飛躍する序章に過ぎない」と語られます。

元BCGのトップコンサルタントであり、ドリームインキュベータの創業メンバーである姜CEOが、緻密な戦略を練り、満を持して起業したリプラス。
「潜在性を持つ業界に、大化けする必然の戦略を持って、メガベンチャーへの大飛躍に挑む」企業のCEOより、メガベンチャーを創り出すための「本質的成功要因」を少数限定の参加メンバーの方々にのみご披露いただきます。

また、同社は若手ハイポテンシャル人材のキャリア開発の場としても絶好の機会を提供しています。コンサルティングファームやベンチャー企業出身の30歳前後 の方々が、中核メンバーとして活躍の機会を獲得され、大きな責任を任されて実績を創り、マネジメントレベルを急速に上げています。

今回のセミナーは、ハイポテンシャルな少数の参加者の方々に対象を限定し、姜CEO並びに若手マネジメントメンバーの皆様と直接交流していただく機会をご提供します。

  • メガベンチャーを指向する真のベンチャー企業の実態を知りたい
  • ベンチャー企業でのキャリア選択肢で、ハイリスクでないものがあるのであれば知りたい
  • 早回しで成長したいと熱望しているが、どのような場の獲得が最適かわからない
  • 未経験者でも活躍できる「成長機会」の実態を知りたい
  • ベンチャー企業に飛び込むタイミングの「企業の旬」と「自己のキャリアの旬」を知りたい
という方におすすめのセミナーとなっております。
皆様のご来場をお待ちしております。

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

エコノミスト『プロフェッショナル特集』に8ページ寄稿 2007-04-02

4月9日エコノミスト臨時増刊号:『プロフェッショナル』特集8ページほど寄稿させていただきましたが、このほど発売になりました。

20070326144122

産業再生機構の冨山COO、ミスミの三枝社長、リヴァンプ玉塚代表パートナー、などと並びで(光栄!)書かせていただいています(表紙にも名前が・・・)。


「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」の影響もあってかどうかは不明ですが、「プロフェッショナルとは何か」といったことがここ最近注目を浴びています。が、弊社がずっと標榜している「経営のプロ」をここまで取り上げていただいた特集は、今までになかったのではないか、と思っています。


ということで、以下、2箇所にわたって、かなり詳細に書かせていただいています。このブログでのエントリーでもカバーされている内容も多いですが、今回は、図表も入れさせていただき、具体的な事例にも言及して書かせていただいている次第。

 

Part1 経営のプロ

  • 人材紹介の目:「不足する経営のプロ 企業間で争奪戦が始まった」(p.19-23)

Part5  プロになりたい

  • 「人より3倍の速さで成長できる職場」(p.89-91)

雑誌で1000円は、チト高めではありますが、全体的にもかなり盛り沢山の内容のようでもありますし、書店でお手にとってご覧いただき、(できればお買いになっていただいて・・・)お読みいただければ幸いです。

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

BEATフォーラムと情報通信ベンチャーフォーラム 2007-03-30

ブログへのアップが遅くなってしまいましたが・・・ベンチャー社長必見!人材確保マニュアルのエントリーで書かせていただいた2つのフォーラムで、急成長ベンチャー企業の人材戦略」に係わるパネルディスカッションのファシリテーターをさせていただいた。

■情報通信研究機構(NICT)情報通信ベンチャー・フォーラム2007 
 開催日:2007年3月14日(水)
 テーマ:「ベンチャーにおける人材戦略を考える」

 パネリスト:
  サイボウズ 代表取締役 青野慶久氏
  ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者 牧野正幸氏
  ドリコム 代表取締役 内藤裕紀氏

 モデレーター:
  グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島悦子

■「Venture BEAT Project」主催 BEAT Forum 
 開催日:2007年3月22日(木)
 テーマ:「成長を目指すベンチャーにおける人材戦略を極める」

 パネリスト:
  ディー・エヌ・エー 取締役(次世代戦略室長) 川田 尚吾氏
  ECナビ 代表取締役CEO 宇佐美 進典氏
  セプテーニ 代表取締役社長 佐藤 光紀氏

 モデレーター:
  グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島悦子

021_4

(3月22日のスナップ@控え室:後列左から、ECナビ宇佐美さん、DeNA川田さん、総務省三島さん、セプテーニ広報の方、総務省の研究委員会でお世話になったチェンジ高山さん。前列、私、セプテーニ佐藤さん)

 

両パネルとも、パネリストの皆さんが「明確な人材観」というものを持っておられる経営者ばかりであり、非常に内容の濃いパネルとすることができた。


通常、メディアで取り上げられているような、ベンチャー企業における採用や育成のTIPSは、その施策のユニークさという部分が取り上げられがち。しかしながら、重要なのは、その施策を打つに至った背景。もっと言えば「目指す組織の姿」、そしてそれを作り上げるための「人材に対する経営者の思想・哲学」


そういった「目指す姿」が違う企業が、施策だけを真似しても、決して長期的な成功には結びつかない。が、なかなか「人材に対する経営者の思想・哲学」までを掘り下げて伺う機会は少ない。


今回のパネルでは、この部分を相当深堀し、各社の差異や共通点なども抽出させていただいただき、具体的な施策や事例についても伺えた。その意味からも、非常に有益な示唆が生まれたディスカッションだったと思う。


パネリストの皆様、ご多忙な中ご協力いただきありがとうございました。また、ベンチャー業界全体の人材戦略の質の向上を目指すという観点から、ある意味、企業秘密ともいえるような自社の人材戦略の事例やエッセンスをご披露いただきましたこと、心より御礼申しあげます。

***


3月末が年度末で超多忙という会社の方が多いということもあり、「惜しくも参加できなかった・・・」という方のために、ここでは、私自身が面白いと思った以下の点のエッセンスだけを簡単にアップしておきたいと思う。

  1. 母集団拡大・関心喚起のシカケとは何か
  2. 企業文化維持のためにアウトソース vs スピード重視のサービスリリースのための内製へのこだわり
  3. 各社の人材観(目指す組織と人材の姿)

***

 

1. 母集団拡大・関心喚起のためのシカケとは

(「この会社に興味がないと思っているが、会社としては採用したい優秀な人材」を発掘し、「この会社で働きたい」とその気にさせるしかけとは何か)

1_4

中途、新卒ともに人材獲得競争が激しい中、上記チャートの水色部分「相思相愛(応募意欲あり×適性保有人材)」の層の人材にリーチするだけでは、急成長を求められる各社にとっては、量も質も十分ではない。

 

従って、上記チャートの黄色部分の「高嶺の花(自社を知らない・関心がない×採用したい適性保有人材)」にリーチして、関心喚起をするか、が課題になってくる。


知名度のない企業であればあるほど、この問題は深刻である。今回のパネルでも、企業の成長ステージをわけ、知名度のない「採用競争力が低い」時代には、どのように採用の工夫をしておられたかについても重点的に伺った。


しかしながら、企業の認知度があがれば、大量に人材が採用できる、というものでもない。逆に上場を果たし知名度が上がった企業でも、「X年前なら面白かったかもしれないけれど、今更▲▲▲社を検討する気にはなれませんね・・・」と逆に断られるケースもある。

 

この「高嶺の花層」の特徴は、候補者側の転職意向そのものが低いか、その企業への応募意思が低い。自分からは企業側には寄ってこない。プルのマーケティングは効果がないのである。また、自分から出現してこないため、生息地の見極めが非常に難しい。「発掘」が必要なわけである。


(ちょっと手前味噌ではあるが)、こここそ、私たちヘッドハンターの腕の見せ所。「経営のプロ」人材の中途採用には、そういった人材層の志向やスキルをよく知るヘッドハンターを使い、「高嶺の花層」に刺さるメッセージを投げかけ、関心喚起をしていくことで成果が得られる。


ところが、新卒・第二新卒の「高嶺の花」の関心喚起には、ヘッドハンターは高額すぎる。もう少し効率の良いシステマティックな「しくみ」をしかける必要が出てくる。この部分について、各社、独自の工夫を推進しておられたので少し事例をご紹介したい。


***


例えば、ドリコムでは100万円賞金付きの学生向け「ドリコムビジネスプランコンテスト」を行っている。

内藤さんいわく、これには「ドリコムに入社することには興味がないが、100万円の賞金を狙いに来る学生」が集まってくるとのこと。彼らは戦略コンサルティングや投資銀行志望の優秀な学生で、ベンチャー企業で働く選択肢を考えていない場合も多い。


しかしながら、ビジネスプランの作り方の講義を受けたり、真剣にビジネスプランづくりをしているうちに、本来の負けず嫌いの気質に火がつく。そして何より、優秀な「仲間」とビジネスプランづくりにのめりこむ中で、「こういった優秀な仲間たちと働きたい」との思いを強くする。結果、この仲間達と一緒にドリコムで働くことになる・・・


ワークスアプリケーションズもまったく同様の発想。「優秀な人材だけが集積する企業をつくりたい」との理念の下、創業以来、大企業で働く入社5年目くらいまでの若手で「地頭」の良い人材層に訴求することにポイントを絞っている。「挑戦状たたきつけ型」広告を打ち、問題解決能力を徹底的に鍛える経験ができる、という訴求ポイントである。


中途・新卒の学生ともに、ワークスアプリケーションズのインターンシップはスゴイらしい、という口コミの結果、ドリコム同様、「同社に入社する意思はないが、自分には自信がある」という人材が集まり、真剣かつハードな経験を共にした仲間ができる。結果として、「この素晴らしく優秀な仲間と一緒に働きたい」と思い、ワークスアプリケーションズに入社していくこととなる・・・


どちらのケースも、私が「コミュニティー戦略」と呼んでいる手法を見事に体現されていると思う。自分は相当優秀だと思っていたけれど、短期間とはいえ苦楽を共にし、相互に尊敬し合えるような「仲間」を見つけ、そのコミュニティーで働きたくなる・・・、という場の設定を、企業が仕込んでいく、という手法である。


戦略コンサルティングファームの学生向けスプリングジョブなどでは、伝統的にこの手法を使ってきているが、これがベンチャー企業に応用されてきているともいえるだろう。

これによって、着実に「腕に覚えあり」という「高嶺の花層」の人材が、「道場破り」よろしく集まってくる。ポイントは、道場である企業そのものに興味がなくても、彼らのプライドをくすぐる何らかの仕掛けが、そこには埋め込まれている所にある。


但し、この手法を簡単に真似することはできない。学生や優秀な社会人の間に、既に「あのビジネスプランコンテストはスゴイらしい」とか「あのインターンシップはスゴイらしい」とかといった口コミによる評価がある程度確立されているからである。新規参入企業がこの口コミを凌駕することは簡単ではないだろう。


また、このような「しかけ」をしている企業は、上記2社に限らず、相当量のマネジメント・コストを投入している。経営者自らや、エース社員を、「これでもか」というくらい相当量投入している。企業も真剣勝負をしているからこそ、プライドの高い人材が集まり、真剣に勝負し、コミュニティー感が醸成される。この手法を成功させるためには、経営者自らの時間的コミットメントが相当要求されることが必至なのである。


***

 

ポイントだけを簡単にアップ・・・と書いたのだが、やはり書き始めると非常に長くなってきてしまった。上記2と3については、次のエントリーにてご紹介させていただく。(すぐ書きます(汗))

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

 

パネルディスカッションを成功させるには(準備編) 2007-03-28

先週・先々週と、社内外のセミナー講師・パネルディスカッションのファシリテーターなどの仕事が、「2週間で6本」というトンデモナイ状況になっていた。お蔭様で、何とか山場を乗り越えた、という感じ。


NILSなどのカンファレンスで経営者の皆様から「ベストパネル」に選んでいただいたり、(リップサービスも勿論あると思うのだが)「ああいったファシリテーションは、どのようにしたらできるようになるのでしょうか」とご質問いただいたりすることが増えている。


勿論、良いパネルディスカッションにできているとすれば、コンテンツが豊富なパネリストに快諾していただけ、積極的に議論をしていただけている、という要素が非常に大きい。また、なるべく白熱した議論をするために対立構造が明確になるような人選をできるか、ということによっても、議論の盛り上がりは大きく異なることになる。

(弊社がカンファレンスの企画・集客にかかわっていないケースなどで)参加者のニーズが事前に捕らえきらないケースなどの場合には、パネリストの人選がすばらしかったとしても、パネルディスカッションが成功と言いきれない場合も出てくる。

ただ、「パネルディスカッションのファシリテーターのKSF(Key Success Factors) は何か」という質問に、ストレートに答えようとすると、回答は以下のようになると思う。

  • 人選
  • 準備、準備、準備
  • パネルディスカッション当日の集中力と現場対応力


***


今回は、この「準備」の部分について、少し記載してみたい。

何より「セミナーやカンファレンスの参加者に、何かお持ち帰り感がある」「プロとして、パネリスト・参加者の期待値にキッチリ答えたいという気持ちが人一倍強い性格の私。その上、こう見えて(?)意外に心配性なので、念には念を入れて準備をすることとなる。


例えば、パネルディスカッションのファシリテーターなどをお引き受けした場合には、

  1. パネリストの企業研究
  2. パネリストへの事前取材での材料収集
  3. パネリスト企業比較の上で、論点や争点になる課題抽出
  4. 当日のシナリオ作り
  5. パネルディスカッションや講演で使うチャート作成

といった「準備」に相当時間を使うこととなる。


私はこれを「機織り作業」と呼んでいる。イメージは「鶴の恩返し」の鶴のように、一人で篭って、粛々とコンテンツ作成を行うイメージ。いろいろと調べ、意味合いを抽出するという作業をしつつ、自分の持っている知見や情報という「自分の羽」をムシリながら、反物に織り込んでいくイメージでチャートを作っていく。

ちなみに、今までに、計50回くらいの講演やファシリテーターを経験させていただいていると思うのだが、使いまわしのチャートというのは、殆どない。通常、対象者や課題によってゼロベースでシナリオをつくり、資料を作成していく、という、ある意味非常に効率の悪い作業をしていることになる。


ここで、いつも本当に難しいなぁと思っているのは、言葉の定義。会社や個々人によって、言葉の定義や概念の捉え方が異なり、同じイシューを討議していても議論がかみ合わないことがよくある。いわゆる「暗黙の前提」というものをパネリストの中でも参加者とも「そろえていく」という作業が必要になる。


従って、討議する対象範囲を限定するためのチャートや、概念を整理するためのチャートを利用しながら、「どの部分の話をしているのか」を確認・整理しながら、く議論の対立構造を明確にしていく、という進行をさせていただいている。


例えば、以下のようなチャート

1

このチャート自体は何か意味合いを出すようなものではないが、パネルディスカッション中にこのチャートを出して話をすることによって、どのマネジメントレベルの採用の話か、どの職種系の採用の話か、ということの前提をそろえることができる。話し手も聞き手も同じ構造の中で、討議を進めることができるわけである。


また、以下のようなチャートで話をすると、パネリストの方にポジションを明確にして討議していただくことができる

1_1


***


パネルディスカッションは複数のパネリストがおりなす即興のライブセッションだからこそ1+1が3になって、面白い議論ができることも多い。限られた時間の中で、すべてのイシューをカバーすることはできないので、どこかに焦点を絞って議論していく。話している中から論点が浮かび上がり、その部分を深堀していくことで、想定以上に面白い議論ができる、というのが最強の成功パターンだろう。


だからこそ、論点が浮かびあがりやすいように、議論がしやすいように、想定していたシナリオ以上のものが、現場で繰り広げられるネタを提供できるように、という思いで、準備をしっかりすることこそが鉄則であると思っている次第である。


今後もより良いセミナーやパネルディスカッションを展開するためにも、真摯な気持ちで準備に取り組んでいきたいと思っている。


グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

告知:人材育成支援コンサル体験をしてみませんか 2007-03-09

オソロシイことに、ブログを1ヶ月弱もサボっておりました(反省)。

4月入社というヤマに向けて、「経営のプロ」人材市場でも、The War for Talent(人材獲得競争)が激化しており、経営者の方々に「岡島さん、ちょっと来てくれない〜」と「お呼び出し」をいただくことも多く、非常にバタバタしておりました。

特に、

  • 「社内にある資産を有効利用したビジネスモデル(収益化)を考えてくれる事業開発の人がほしい
  • 子会社の経営者になってくれる人が大量にほしい」
  • 「人をやる気にさせて、組織を動かしていってくれるリーダーシップの高い経営者候補がほしい」

などのオーダーが激増。課題の質が高くって、「やりがい」的にみても興味深い案件が多くなっているのが特徴かもしれません。 


本ブログの読者の方で、成長したくてウズウズしていて「我こそは!」という方、「修羅場で一皮向ける成長の経験をしたい!」という方、ぜひ「こっそり」ご連絡いただければ幸いです。


***


さて、そんな久しぶりのブログにもかかわらず、「セミナーの告知ネタ」で恐縮ではありますが・・・
上記にも書いた「人をやる気にさせて、組織を動かすリーダーシップ」関連のセミナー告知エントリーです。


最近、ターンアラウンド、第二創業、といった「変革」の局面にある企業に、落下傘的にご入社いただいた「経営のプロ」の方々から、

「マネジャー層の意識・行動を変化させるのが難しく、戦略変更が現場に浸透しない」

「マネジャー層に『気づき』を与える機会を作りたいが、1:1ではなく組織的に気づきの機会を創るのが難しい」

というお悩みを伺い、弊グループの人材育成支援コンサルティングをご紹介させていただくケースが増加しています。次世代リーダーの方たちの「意識変革」や「行動変容」を促進するためのコンテンツしかけを考え、研修プログラム(気づきの機会・学びの機会)として設計し、提供していくことによって、組織能力の向上と経営力強化を支援していく、というアプローチです。

 

一方、若手ビジネスパーソンの中でも、新人教育や、部下のコーチング等を行う中で、「実は自分は人を教えるのが結構うまいのではないか」「人が成長する姿を見ると嬉しくなる」といった方々も増えていますが、

「人材育成に関係する仕事をしたいが、実際にはどんな仕事があるのか、どんな仕事なのか、がイメージできない」

という方も多いようです。

 

世の中にはまだまだ馴染みの薄い「人材育成支援コンサルティング」という仕事。今回は、業務内容をイメージしていただきやすいように、体験プログラムをご用意いたしました。(私もセミナープログラムの設計、司会などさせていただきます)


実際の企業の経営課題を事例に、組織強化を達成するためには、どのような「人材育成支援コンサルティング」を行っていくのかを、グロービス・オーガニゼーション・ラーニング(GOL)の現役コンサルタントとともにチームで経験していただく機会です。

  • 組織変革・人材育成に興味はあるものの、実務のイメージを持ちにくいと思っておられる方
  • 多忙すぎて、組織開発・人材育成について調べることが、ついつい後回しになってしまっている方

に、リスクフリーで体験していただけるチャンスなのでは!と思っております。

 

【セミナーご案内】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■     【本日申込スタート!】 3月25日(日)開催
 □■    「人材育成支援コンサルティング体験セミナー」
 ■□■    〜“明日を創る人を創る”コンサルタントの仕事とは〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【メールにてお申込み下さい⇒】email: gmb-event@globis.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 経営環境変化の激しい現在、企業が持続的に成長していくためには、経営
 者のトップダウンによるリーダーシップだけではなく、『次世代リーダー』
 による迅速かつ徹底した変革推進力が問われています。


 「『次世代リーダー』の育成能力を組織として担保しているか」が企業の
 本質的な課題解決力の源泉であり、「優良企業が勝ち続けるための必須条
 件」であるとも言えます。


 企業がこうした課題を抱える今、「明日を創る人(次世代リーダー)を創
 る」人材育成支援のプロ集団、の存在が注目されています。経営者のパー
 トナーとして、経営課題から組織能力向上の打ち手を導き出し、組織能力
 向上と人材の行動変容の「実行」を支援する、それが「人材育成支援コン
 サルタント」の仕事の本質です。


 今回の「体験セミナー」では、今注目されていながらも業務実態のわかり
 にくい「人材育成支援コンサルティング」の仕事の一端を体験していただ
 くものです。実際のプロジェクトを想定したケースに、グロービスの現役
 コンサルタントともにチームで取り組むセッションをご用意いたしました。

  −組織を「本質的に」強化するビジネスにかかわりたい
  −能力開発をサポートすることに喜びを感じ、それを仕事にしたい
  −顧客企業の組織強化を支援することを通じて、
  ひいては日本経済の発展に貢献したい
  −使命感の持てる仕事を通じて、自らもダイナミックに成長していきたい

 という方におすすめです。お申込、お待ちしております。


 ■ 開催日時 : 2007年3月25日(日) 14:00〜17:00終了予定(開場13:30〜)

 ■ 場 所 : グロービス東京オフィス 101教室

 ■ 体験セミナー概要 :

  •  第1部:体験セッション
  •  第2部:講演:組織変革を牽引する「人材育成・組織開発」の潮流とは
  •  第3部:懇親会

 ■ 参加対象者:

  • 20代後半〜30代半ばのビジネスパーソンの方
  • 人材育成・組織変革に興味のある方

 ■ 定 員 : 50名(申込締切後、抽選とさせていただきます)

 ■ 参加料 : 無料

 ■ 申込締切 : 2007年3月19日(月)

 ■ お申込はメールにてご連絡下さい:gmb-event@globis.co.jp    
    件名:3/25セミナー参加申込
    内容:氏名、勤務先、年齢、連絡先メールアドレスをご記載下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ベンチャー社長必見!人材確保マニュアル 2007-02-14

昨年6月から今月まで、総務省の「ICTベンチャーの人材確保等の在り方に関する研究会」の委員をつとめさせていただいた。

この委員会の成果物として作成した「ICTベンチャー人材確保ガイドライン」が、昨日一般公開されたので、ここで、ぜひご紹介させていただきたい。

「このガイドラインは、ICTベンチャーの現役社長/CEOが、人材確保に関して困った/悩んだ際に、解決に向けたアクションを考えるヒントを整理した参考書である」

と1ページ目にも記載してあるが、ズバリ、「ベンチャー企業の採用 虎の巻」である。


採用力の高いベンチャー企業18社(ガイドラインの巻末に企業名公開)の経営者に、委員と総務省の方々でインタビューをかけさせていただき、そのベストプラクティスや失敗事例などを抽出させていただいた。

また、私のようなヘッドハンターや、ベンチャーキャピタリストなど、ベンチャー経営者を支援する立場で組織開発や採用のお手伝いをするプロが持つ「現場のチエ」も、実務的・具体的にご紹介させていただいている。

正直、本来であれば、門外不出の採用力アップ関連の弊社極秘ノウハウも、相当披露させていただいた次第。当然、社内からは「ここまで出したの〜」との意見もない訳ではないが、とにかく「ベンチャー企業の人の採用難が成長のボトルネック」という事態を何とかしたい、という想いで書かせていただいた部分も多い。


上記総務省のHPからダウンロードし、印刷していただけるので、内容については、お読みいただければと思うので、ここでは目次のみ(全77ページ)、ご紹介させていただく。


    1. 採用をどうすべきか・どのような人材を求めるべきか

  1. 他の人に任せたいが、どのような業務をどのように任せればいいのか悩む
  2. 業務を任せるとしたら、どのようなことを求めて、期待した役割を果たしてもらうかわからない
  3. ある程度成長したものの、顧客からクレームがつくなど、以前より業務の 品質・スピードが低下してきたと感じる
  4. また、人員不足が売上成長の足を引っ張っている
  5. さらに、指示が社員に行き届かない・社員の反応が鈍い・社内がぎすぎすしている
  6. 上場に向けた組織拡大・体制の整備・ガバナンスの強化が進まない   

    2. どのように採用するか

  1. どのように採用候補者を探していいか分からない
  2. ターゲットの採用候補者に具体的にどのようにアプローチしたらいいか分からない
  3. その候補者を採用したいが、評価に悩む
  4. せっかく内定を出したのに、断られてしまう
  5. 以上のプロセスの中で手続きがわからない

    3. 入社後に当初の予定通り活躍してもらうためにはどうするか 

  1. 採用した人材が想定していたよりスキルが低かった
  2. 採用した人材にスキルはあるが、経営層が期待していることと当人の認識に ギャップがあるため、
  3. 本来のスキルを発揮できていない
  4. 採用した人材にスキルはあるが、周囲と摩擦を起こす
  5. 採用した人材が辞めてしまう
  6. 手を尽くしたものの、採用した人材が活躍できそうもない

全77ページと、文章量が多いので、「家庭の医学的」に思い当たる症例毎に「逆引き」して使っていただければ、と思っている。

また、成長ステージが比較的若い企業の経営者の方々には、全体をざっと目を通していただき、組織の成長とともに想定される次に来る「成長の痛み」についても、事前に認知しておいていただくという用途にもご利用いただけると思う。


***

そして・・・
「このガイドラインを読んで理解はしたが、より具体的な事例が知りたい!」という経営者の皆様に、ここで朗報!

ベンチャー企業の中でも、特に高い採用力をお持ちの6社の経営者の皆様と、本ガイドラインも踏まえて、「ベンチャー企業の人材確保戦略」について徹底的に討論させていただくパネルディスカッションが、総務省関連で2回開催される予定である。 まさにこのガイドラインの具体的事例について、ご披露いただく予定である。


どちらも総務省関連のカンファレンスの中のパネルディスカッションであるが、2つのパネルとも、私がモデレーターをさせていただく予定(どちらも、これからご案内がリリースされると思います)。

■情報通信研究機構(NICT)情報通信ベンチャー・フォーラム2007 
 開催日:2007年3月14日(水)
 テーマ:「ベンチャーにおける人材戦略を考える」

 パネリスト(予定):
  サイボウズ 代表取締役 青野慶久氏
  ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者 牧野正幸氏
  ドリコム 代表取締役 内藤裕紀氏

 モデレーター:
  グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島悦子


■「Venture BEAT Project」主催 BEAT Forum 
 開催日:2007年3月22日(木)
 テーマ:「成長を目指すベンチャーにおける人材戦略を極める(仮)」

 パネリスト(予定):
  ディー・エヌ・エー 取締役(次世代戦略室長) 川田 尚吾氏
  ECナビ 代表取締役CEO 宇佐美 進典氏
  セプテーニ 代表取締役社長 佐藤 光紀氏

 モデレーター:
  グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島悦子

非常に実務的なマニュアルとしてのガイドラインができたので、いろいろと広報活動のお手伝いをさせていただきたいと思っている。上記カンファレンスによっても、このガイドラインの普及が進み、ベンチャーの社長に実際に利用され、結果としてベンチャー企業の採用力が全体的に底上げされるようにと、切に願っている次第である。


また、このガイドラインが、現場で利用され、現実の変化に合わせ少しずつ加筆修正され、どんどんバージョンアップされていくといいな、とも思っている次第である。


最後になりますが・・・
膨大な作業を進行してくださった総務省情報通信政策局情報通信政策課の三島課長補佐、鈴木さん、委員の皆様、そして年末年始も資料作成に取り組んで下さった潟`ェンジの神保社長、名波さん、本当にありがとうございました!


グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

 

 

川口順子参議院議員との対談に感激! 2007-02-06

先週金曜日、弊グループのグロービス・マネジメント・スクール(GMS)のトップセミナー川口順子参議院議員(元環境大臣、元外務大臣)にご講演をいただき、講演後の対談のお相手をつとめさせていただきました。

対談の内容としては↓の通り。

  • 「存在感」というスキル 〜いま世界で通じるリーダーシップの形〜
同じ日本人女性であることが、心の底からうれしくなるような、本当にステキな方でした!

 

マスコミを通じて拝見するイメージでは、まさに「世界レベルのリーダー」。しかしながら、川口さんの著書「涙は女の武器じゃない より子流『しなやか激闘録』」読ませていただいて、とても人間味あふれる方なのではないか、と密かに思い対談にのぞみました。

実際に対談させていただくと、実績に裏打ちされた豊富な知識とコンテンツをお持ちであり、それを極めてロジカルにお話される姿と、地球規模の事例の数々に圧倒されました!

その一方で、次世代のリーダー達に心からエールを送って下さる際に、ご自身の言葉で非常に率直にお話いただき、(僭越ではありますが)人間力のすばらしさがにじみ出すチャーミングさに、大感激しました。

***

ご講演の内容、ならびに対談の内容については、後日KEY PERSON フロントランナーの志にアップされるようなので、ここでは「いま、世界に通じるリーダーシップの形」について、印象に残った部分を記載させていただきます。


1. 今、世界に通じるリーダーシップとは

特に環境という分野において、世界を牽引するリーダーシップをとってこられた川口さんですが、日本という国が世界で存在感を示しリーダーシップを発揮していくには、以下の要件が必要ではないか、とのお話いただきました。

  • 実績
    • 例えば、京都議定書を推進するにあたっても、日本には机上の空論ではなく「省エネ」分野で実績があり、世界に具体的事例としての実績で見せることができることに実現可能性を示せ、説得力を持って議論を推進することができる
  • 尊敬
    • 上記の実績だけでは世界レベルで発言権を持つことはできない。あわせて国の品格、文化、民度、といった国の総合力としての品格が求められる
  • 大義
    • 一段高いレベルの崇高な目的を示すことで、何かを達成しようとするための強力なビジョンで関係者をまとめ、リードすることができる
  • 知恵
    • 関係者の利益が相反するようなケースにおいて、「ものごとをまとめるためのチエをいかに出すことあできるか」が存在感をもったリーダーシップを出せる要件
  • 献身
    • 国際会議などでは、異なる意見の調整には、議長の役割が非常に重要であるが、その議長がどこまで献身的に目標達成のために自分自身が動けるか、ということが成否をわける。COP6ハーグ会議のオランダのプロンク議長の献身などがこの好例。

また、国の存在感を出すのは「人」であり、「日本の産業」は強いものの、「日本人の国際競争力」は必ずしも強くないのではないかというお話もありました。先日、ダボス会議から帰国されたばかりの川口さんの実感のこもったコメントだったのではないかと思われます。

そういった意味で、川口さんのコラムに書かれていた「ジュリアーニ元NY市長が考えるリーダーが備えるべき6つの資質」についてもコリン・パウエル氏やアフガニスタンのカルザイ大統領といった世界のリーダーの事例も交えながら、ご説明いただきました。こうした世界のリーダーの等身大の姿を直接知っておられる川口さんのご説明だからこそ、非常に腹落ち感のある、いいお話だったと思います。

@未来を見据えて方向性を示すことができる
A必ず成功すると信じる楽天性がある
Bその方向性を示すに際し反対を押し切る勇気を持つ
C十分に勉強、準備している
Dチームワークを進められる
E人にコミュニケイトできる

そして最後にポツリと、「人を愛することができる」と。
話を聞きながら、カルザイ大統領がまさにこの資質を備えていると思いました。

(出典:ジュリアーニ元NY市長 「リーダーシップ」についての講演より、川口氏が抜粋)


2. 川口氏はどのようにして「世界で通じるリーダーシップスキル」を獲得されたか

私達よりも20年以上も先輩である川口さん。政治家の2代目でもなく、女性である川口さんが、今とは異なる時代背景の中で、どのようにして世界レベルのリーダーになってこられたのか、にとても興味がありました。また参加者の方々にとってもヒントとなる示唆があるのではないかと思い、質問させていたご回答の中から、キーとなるものを以下に抜粋してみました。


  • 親からも「キューピー(チャンスの女神)には、前髪しかない」と教えられた。考えて考えて考えるのに疲れたら、意思決定し、腹をくくって徹底的にやる。現状の選択肢が一番いいと信じて突き進む、という信条を持つことができた
  • 高校時代に留学したことによって、「(外国人も)人間はみんな同じなんだ」という視点を得ることができ、グローバルな視点を自然に持てるようになった
  • 機会をつかむ力、異文化にあわせる柔軟性・適応力を培うことができた
  • 留学時代、家族、友人、官庁、サントリー、国際会議、政界、といつもいい人に恵まれ、いつも多くの刺激を与えられてきた
  • 官庁ではトコトン討議し、知恵を出すことを身に着けた
  • 出向した世界銀行では、論理思考力の重要性を再認識し、論理的構成を考え文書にするスキルを培った
  • サントリーでは、コスト意識、顧客志向、ということを実体験を通じて吸収した
  • 国際舞台での経験を通じて、「世界の中にある日本」ということを再認識し、国際的な視点を持たなければならない、日本人の国際競争力をあげなければならない、と痛感した
  • これらすべての前提には、「社会の役に立ちたいという想い」と「人に貢献できる喜び」が、すべての原動力になっている
 

3. 次世代のリーダー予備軍に贈るアドバイス

ご講演、対談、懇親会を含め、心温まるアドバイスを沢山いただけたと思っています。特にその中でも、以下の3つが心に残るアドバイスだったと思っています。

  • 国内派・国際派などといっている時代は終焉しており、言語ができるとか言うレベルではなく、「世界の中の日本」という視点を、常に忘れないでほしい
  • 国の存在感を出すのは「人」であり、ぜひ日本人個々人の国際競争力をあげる努力をしてほしい
  • 現状の選択肢が一番いいと信じ、迷わず楽しみながら、徹底的に突き進んでほしい

 

*** 


(↓講演後のツーショット。川口さんの勝負服の色は赤。今日も赤を着てきてくださるのではないかなぁという仮説はありました・・・。赤にピンクでは失礼かなぁとも心配しつつ、ご本の中に「日本の政治家や官僚は押しなべてドブネズミの世界。」との描写があったので、それではいけないと思い、私も思い切ってピンクの服で登場してしまいました・・・)

Dsc00104_1

 

番外
対談後、懇親会までの間、控え室で2人でお話させていただきました。

男性の参加者も多かったので、あえて女性リーダーとしての視点については、対談の中ではご質問するのを控えました。が、控え室では「女性ならでは」といった部 分も、少しだけ伺わせていただきました。ご両親に頼りすぎず、家族以外の方々のお力もうまくお借りになりながら家事や育児をやってこられたこと、タイムマネジメント、などについて も伺わせていただきました。

「それでも私は第二世代だから、先人はもっと大変だったに違いないわ」「主人もとても子育てに積極的だったので私はラッキーで」とお話いただき、しなやかな強さに心打たれました。

懇親会の席である女性が「川口君(息子さん)と同級生だったのですが、川口君のお母さんはとても料理が上手と言っていました」とお話すると、「うわー、そんなこと息子からは言われたことがないので、本当にうれしいわ」ととても可愛く喜んでおられたのが印象的でした。

また、ダボス会議などで、ぜひお話できる機会ができれば、と心から思った幸福な機会でした。

 

川口さん、本当にご多忙な中、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

 

弊社セミナー:楽天取締役常務執行役員 吉田敬氏、参加者を魅了! 2007-01-31

先週末、こちらのエントリー に書いた第7回「経営のプロ」へのキャリアセミナーを、楽天、取締役常務執行役員の吉田敬氏をお招きし、実施しました。


昨秋のNILSで吉田さんとともにパネルディスカッションをさせていただきましたが、その人間力にあふれるリーダーシップスタイルを拝見し、「ぜひ、弊社セミナーでも経営のプロのロールモデルとしてお話いただけませんかー」と強くお願いし、実現した次第。

 

出張直後でお忙しい中、

「過去のイベントや活字で答えたことがある質疑応答は、聞いたことがある人には時間の無駄だし、僕も回答するのが恥ずかしいですー」

と、すばらしいFAQを自ら作ってきてくださいました(感動ものです。本当にスバラシク面白い内容)。

従って、当日のディスカッションでは、極めて本音ベースでお話いただきました。また、多くの質問に対して、非常に具体的に真摯にお答えいただき、参加者の方々も皆、吉田さんに魅了されていました!多くの参加者の方から

「ああいう 人を活かす上司と働きたい」と思った
「ああいう経営者になりたい」という目指したい姿のイメージが持てた

等のコメントをアンケートでいただいております。吉田さん、本当にありがとうございました!

↓写真は、セミナーの様子の一部です。

Img_1683

 

 

Img_1685

Img_1693_1

***


セミナーの内容については、後ほど弊社HPにセミナーレポートをあげさせていただく予定です。ということで、ここでは、私自身にとっても気づきのあったポイントを、2点だけ簡単にご紹介させていただきます。

 

1. ベンチャー企業を選ぶ際のチェックポイント+経営者との関係構築

32歳で、楽天に中途入社された吉田さん。現在はメガベンチャーであり日本を代表する企業のひとつとも言える楽天ですが、吉田さんが入社された当時は売上数億円、従業員数約30人のベンチャー企業だったとのこと。


ディスカッションの中では、吉田さんが楽天を選ばれた理由を伺ったわけですが、ベンチャー企業を選ぶ際のチェックポイントのひとつとして、「社長と常にコミュニケーションをとってスピーディーに経営判断できそうか」をあげておられました。


特に、オーナー企業の場合には、社長との相性が極めて重要であることに言及した上で、それに加えて、

「社長に心地よく信頼されつつ、部下といえども言うべきことを言えるような間柄をいかに作り保つかが重要」

と言われていたのが、非常に印象的でした。


ベンチャー企業の場合には、環境によって戦略やビジネスモデルの変更はありえるもの。一方、経営者の性格、志向、価値観は、変わりにくい。社長を人間的にも信頼できるのか、価値観やビジョンを共有できるか、が重要ということについては、私もこのブログでよく記載させていただいています。


が、それに加えて、オーナー経営者の場合には、理論的に企業と社長はアンバンドルできない。そのような環境の中では、


  • オーナー社長からの信頼を勝ち取り、
  • 社長と健全な議論をできるパートナーとしての位置づけを確立し
  • 社長の「思考のくせ」にも思いを馳せながら(思いを馳せる感度をもっているかが重要)、企業の意思決定が(プロセスはどうあれ)「結果として」最適な状況になるよう、尽力ができるか


がポイントとのお話に、私もいろいろな事例を反芻しながら、心から賛同した次第です。「経営のプロ」を目指しベンチャー企業に入社する人にとっても、そこで個人と企業を急成長させようとしている人にとっても、重要な示唆となる点だと思っております。


 

2. 経営者目線を持って、できることを考え行動する

弊社は、「”経営のプロ”を目指す人に、成長のきっかけ・機会をご提供したいとの想いから、日々の活動をしておりますが、そこで常に課題となるのが、「きっかけのつかみ方」議論。すなわち

実績のある人にしか活躍の場が与えられず、実績をつくるための「きっかけ」がいつまでたってもつかめない

というもの。今回の吉田さんのお話の中には、これに対する一つの回答が示されていたように思います。

吉田さんは創業3年目の楽天に、開発部のプログラマーとして入社。すなわち、メンバーとして入社したわけです。そこで効いてきたのはリクルートで培った「社員皆経営者主義」という目線。


入社後の比較的早い段階から「経営者目線」で楽天という企業を見ることができたことから、この企業のおかれている状況の中で、自分が何に貢献すべきか判断でき、行動でき、その実績が周囲からも認められることになり、その後の業務範囲や権限の拡大につながっていった、とのこと。


具体的には、当時の楽天の企業ステージにおいては、売上を作ることの重要さを感じ、しくみとして売上をあげる方法を考えぬき、広告事業、携帯事業、の立ち上げを推進し、実績をつくった、という経緯。


もちろん、きっかけをつくるためには、未経験者にも成長のきっかけや機会を付与してくれる経営者がいる企業を選ぶ、という方法もあるとは思われます。ただ、多くのベンチャー企業の場合、そのようなお膳立てをするための経営資源がなかったり(特にメンバーやミドルマネジメントレベルで入社の場合)するケースも多いと思われます。


そんな中、多くのベンチャー企業、特に企業ステージが若ければ若いほど、意外にも「ここを伸ばせば・・・」と思われることが、急成長に人材供給が追いついていなかったり、組織能力がそこに足りていなかったりで、「未着手の白地=チャンス=穴」が外から来た人には見えやすかったり、誰も手をつけていないので意外に取り組みやすかったりするチャンスになりやすいと思われます。


まさにリクルート式の「自ら機会を創り出し・・・」という精神だったりするのだと思うのですが、とにかく小さな成功でもやれることからやって、徹底的にやり抜いて実績をつくる、というのが、例え権限を与えられていなかったとしても「成長のきっかけ」となる鍵なのではないでしょうか。


この時に重要なのは、吉田さんのおっしゃる「経営者目線」。少し鳥瞰したところから企業全体を見回しながら、穴を見つけ、現場ではディテールの積み上げをきっちりやりぬく、という姿勢を持っているか、がきっかけをつかめるかどうかの鍵だなぁと、痛感した次第です。


***


キャリアの作り方、経営手法、といったものは、往々にして文字にして書き表すと、結構「あたりまえ」的なものが多いもの。しかしながら、「神は細部に宿る」ではないけれど、実は具体的に実行することや、実行し続けることは本当に難しいもの。


今回の吉田さんのお話では、修羅場でどんな経験をされ、どのように考え、そして結果として企業も個人もどう成長されたのか、といった点について、非常に具体的にお話していただけ、多くの示唆を与えていただけたと思っています。


やっぱり、具体的な事例を通じて学ばせていただくことは、本当に貴重であるし、また参加者の皆様にもイメージしやすく伝わりやすいなぁ、とあらためて痛感した次第です。


吉田さん、本当にありがとうございました!


グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

NILS 3周年感謝祭おめでとう 2007-01-25

弊グループVCのGlobis Capital Partnersの小林雅が中心となって開催している(というか、ほとんど彼が企画・運営している)New Industry Leaders Summit (NILS) が、5回の開催を終了。


3周年を記念してということで、企画メンバー、スピーカーとしてご貢献いただいた方々、28名を集め感謝祭が開催されました。日頃、仕事でもNILSでもお世話になっている方々ばかりとの会食で、本当に楽しく過ごさせていただきました!


015_4

 016_1

 

今回の会食は感謝祭ということなのですが、感謝祭ということであれば、ぜひぜひここで小林雅さんに、本当に感謝したいと思います。同じグループの社員ということで、手前味噌的な身内への感謝で恐縮ではありますが・・・


何といっても、「日本版レッドヘリングみたいな業界のカンファレンスがやれたらいいな」という飲み会の席での話(と聞いている)を、実際に立ち上げ、周囲も巻き込み(私は巻き込まれていますね)、この規模にまで成長させたことは、本当にすごいことだと思います。


正直、私自身は、NILSがここまで大規模になることは想定していなかったし、年に2回というペースを継続できるとも思っていなかったので(ごめんなさい)、「まずやってみる」「続けてみる」ことの大事さを、ヒシヒシと感じた次第。


経営者の良いネットワーキングがここで形成され、経営者同士が学び合う、という良いコミュニティーが形成されつつあり、事業開発やアライアンスのきっかけがここからも沢山生まれ始めているようです。


勿論、まだまだ改善点も課題も沢山あるのだとは思いますが、NILSの参加メンバー同士に相互扶助的なカルチャーができ、IT関連ベンチャー企業全体の健全な成長を加速する結果になったらいいなと思っています。


***

 

NILSですが、私も企画メンバーとして第1回から参加し、毎回パネルディスカッションの企画とモデレーターをさせていただいています。一緒にパネルディスカッションをさせていただいた方々は、以下の通りです。(以下、NILSのパネル登場順)

  • サイボーズ 代表取締役社長 青野 慶久 氏
  • サイバード 代表取締役社長(当時) 加藤 隆哉 氏
  • オールアバウト 代表取締役社長兼CEO 江幡 哲也 氏
  • ゴルフダイジェスト・オンライン 代表取締役社長 最高経営責任者 石坂 信也 氏
  • ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者 牧野 正幸 氏
  • サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田 晋 氏
  • 楽天 取締役常務執行役員 吉田 敬 氏
  • オプト 代表取締役CEO  海老根 智仁 氏
  • シーエー・モバイル 代表取締役社長 外川 穣 氏

本当にすばらしい経営者の方々とパネルディスカッションを展開させていただき、いつも学ばせていただくことばかりです。この場をお借りして、深く御礼を申し上げます。

 

「継続は力なり・・・」

NILSそのものが、良い生態系の「きっかけ」として機能し続けていけるよう、そして私自身も企画メンバーとしても、より貢献度を高めていけるように、と改めて思った次第です。


そろそろ次の企画に取りかからなくては・・・


グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

 

 

ダボス会議Young Global Leader250人に選出されました 2007-01-18

ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが、2007年の世界の若手リーダー(Young Global Leaders 2007)として約70カ国から計250名の選出を発表しましたが、

その中の1人として選んでいただきました!!!


「Young Global Leaders 2007」は、世界各国の4,000人超の候補者の中から著名なジャーナリスト等で構成される選考委員会によって、その経歴を審査され、各界での活躍度合いを始め、社会への関与、将来のグローバルレベルでの貢献可能性といった観点で選出されたとのことで、ご連絡をいただきました。

今年度はビジネス、政治、学術、文化・芸術等幅広い領域にわたって、約70カ国から計250名が選出されており、日本からは以下の15人の方々が選出されたとのことです。

横綱 朝青龍関
秋篠宮妃殿下
株式会社ソフィアバンク  副代表  藤沢久美氏
株式会社サイバーエージェント  代表取締役社長  藤田晋氏
Raum創設者・人権活動家  川田龍平氏
衆議院議員  北神圭朗氏
タリーズコーヒージャパン株式会社 代表取締役社長 松田公太氏
NEC基礎・環境研究所  主席研究員  中村泰信氏
指揮者  西本智実氏 
エレファントデザイン株式会社  代表取締役  西山浩平氏
衆議院議員  小渕優子氏
株式会社インデックス  代表取締役社長  小川善美氏
株式会社グロービス・マネジメント・バンク 代表取締役 岡島悦子
オイシックス株式会社  代表取締役社長  高島宏平氏
衆議院議員  津村啓介氏
               (World Economic Forum発表順)

 

私の場合には、以下の3つの理由を含め「だいぶゲタをはかせていただいての選出だろうなぁ」と思っているのですが・・・

  • 同フォーラムの事務局にマッキンゼー時代の同僚がいること
  • グロービス代表の堀もYGPの前身の組織であるNew Asian Leadersに選出されていたこと
  • 女性であること

最近、まさにグローバル視点ということを忘れつつあることを激しく反省していたところでして、これを機に、グローバルな多様なリーダーシップ・スタイルを学び、有益な人脈づくりをし、少しでもグローバルな貢献をしていければと思っている次第です。


9月に大連で開かれる総会を含め、今後いろいろな活動や学習機会が提供されるようなので、とても楽しみです。このブログでも活動の一部をご紹介していくことができればと思っています。

世界レベルの次世代リーダーと活動をともにすることによって、私も大いに影響を受け、本業のヘッドハンティング業務においても、世界で活躍するリーダー人材の輩出促進に生かし、寄与していきたいと思っています。

グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

2007年「経営のプロ」の市場動向予測3(企業ステージ編) 2007-01-17

前回のエントリーの続きとして、今回は「企業ステージ別の需要予測」のエントリー。


1_7    

 


1.次の収益の柱をつくる事業開発人材(再強化期)

昨年から明らかに需要増となっていて、この傾向が続くと予想されるのが、「次の収益の柱をつくる」という仕事。特にIPO直後の企業ステージでのこの需要が多い。上場直後のベンチャー企業では、投資家からの急成長に対するプレッシャーも大きく、従来のビジネスの次の収益源の開発が求められる。

次の収益源の確保方法としては、新規事業開発(創る)とM&A(買う)の両方の手段が考えられる。双方のポジションとも「経営のプロ」人材の需要は多い。社内にこの機能を担える人材がいないというケースも、もっと加速させたいので人材の新規投入をというケースも、増加している。


また、これに似たケースでもあるが、景気回復の影響で拡大指向にある企業が多いためか、大企業でも社内の技術や資産を有効活用した新規事業開発が拡大傾向にあり、今まで中途採用をスペシャリストのみに絞ってきた大企業でも、社内で調達しきれないジェネラリスト的な「経営のプロ」人材を外部調達するケースも少しずつ増えてきている。


例えばB2Bに強みを持つ大企業が、その技術を横展開し、消費者向けの化粧品事業に参入するケースなど。B2Cビジネスを立ち上げた経験とスキルを持つ人が存在しないため、新しく外部調達でチームを組成した、という事例もでてきている。また、技術を横展開し、例えば製薬から食品業界への参入などのケースにおいても、外部調達でチーム組成という事例も同様である。


このように、弊社にも最近益々ご相談が多くなっているのが、その企業が持つ技術や資産の新たなアプリケーション(応用方法)を考え、ビジネスモデルを構築しマネタイズすることのできる「経営のプロ」人材がほしい、というオーダーである。この傾向は2007年も継続するのではないかと思う。

 

 

2.次の収益の柱をつくるM&A関連人材(再強化期)

「上場後の急成長を牽引する打ち手」もうひとつの打ち手であるM&A人材のニーズも引き続き顕著。しかしながら、求められる役割は変化してきているようだ。所謂、金融バックグラウンドのM&Aのスペシャリストの需要から、以下のような人への需要へと変化している。


  1. 被買収企業との事業シナジーを考えられる戦略構築をできる人
  2. (企業価値算定は外部委託するものの)、買収時の最も効率的な財務ストラクチャーを瞬時にオプションだしし、財務インパクトを経営者にインプットできる人
  3. 買収後、被買収企業の経営者として経営再建、買収企業との企業統合(インテグレーション)をできる人

特に3のニーズについては、ここ1〜2年急増しており、今年もこの傾向は続くと思われる

 


3.経営管理体制強化人材(プロフェッショナル化期)

IPOに向けて社内の管理体制を強化したいので、CFO、経営管理室長、経営企画室長などの「経営のプロ」人材を採用したい、という弊社へのご相談は従来から多い。


しかしながら、日本版SOX法が2008年4月以降に開始した事業年度から適用されることとなったことを受け、以下のような企業でも需要が急拡大している。

  1. 何とか既存勢力でIPO準備の対応をしようとしていたIPO直前ベンチャー
  2. 内部統制のしくみを確立しきれていないIPO後のベンチャー


一方、日本版SOX法対応を見込み、金融機関出身者・公認会計士等の専門性の高いプロフェッショナル人材を採用した企業からの「リプレイス案件」も、実は増加している。専門性の高い方を採用したものの、

  • 実務はわかるが経営の目線をもてない方だったとか、
  • 社内浸透をさせ組織を動かすコミュニケーションやリーダーシップスキルが不足していた、


などの理由から、リプレイスやその方の上長となる方を採用したいというニーズ。実務家ではなく、経営者視点をもって経営管理体制を構築できる人材、というのは、人材市場でも圧倒的に不足している。こういった人材は急速に養成できないため、一部の方々をめぐって争奪戦争となっており、この傾向は益々加速するのではないかと思われる。


内部に保有できないのであれば、(兼務・パートタイムでもいいので)社外取締役、社外監査役として、そういった「経営のプロ」人材からの支援を受けたい、というニーズも増加している。

 


4.人事・組織開発のプロ(事業拡大期、プロフェッショナル化期、再強化期)

昨年、最も逼迫していたのが、所謂「ヒト・組織のプロ」。なかなかピンと来にくいが、以下のような、様々なレベルでの需要が急浮上しており、この傾向は今年も間違いなく継続しそうである。


  • 人材を惹きつけ(採用・維持)、組織を動かすリーダーシップを持つ経営者(COO)
  • 経営者のビジョンの具現化方法として、人的資源が最大活用できるしくみを考え実行できる 執行役員レベルの人事責任者(採用・育成・評価報酬精度設計・配置等)
  • 実務家人事部長


景気回復の動きを受け、大企業も積極的な採用をかけており、知名度・報酬等の条件、の両方の側面から、ベンチャー企業の人材獲得は、大企業に比べ不利な状況にある。しかも、このブログでも再三申し上げているように、現在は「超売り手市場」。中途採用市場に優秀な人材が流出しにくい、という供給不足の事情も、ベンチャー企業の人材獲得難易度はここ1年、高まりの一途をたどっている。


しかしながら、こういった一見、逆風下の事業拡大期のベンチャー企業群の中でも、実は採用市場(中途・新卒)における勝ち組が存在している。社内外の人的資源の維持・獲得に向けて、企業・個人にとっての成長のストーリをつくり・伝えることに対し、経営資源配分のできている企業であり、またそれを実行できる「経営のプロ」人材を有する企業である。


IPO直前期の企業においても、これは同様である。上場直前ともなれば、P/Lの利益幅をなるべく大きくしたい。従ってこの時期に入社する「経営のプロ」人材への報酬は抑えたい、という経営者の思いが発生する。しかも、既にストックオプション付与のタイミングは終了していて、アップサイドのある条件も提示しにくい場合が多く、ストーリーを持って語れる「ヒト・組織のプロ」需要はここでも顕著である。


IPO直後の企業においても、「ヒト・組織のプロ」のニーズは高い。中途採用市場、特に「経営のプロ」人材の場合には、「IPOすると人材獲得が楽になる」という図式は当てはまらない(新卒、第二新卒については、効き目あり)。かえって「上場を経験できる」とか「上場に向けて個人も急成長する機会がある」といった切り札の効果が弱まるためである。それならば、もう少し早い企業ステージのベンチャー企業を選ぶか、大企業を選ぶ、という意思決定に対抗するストーリーが必要になる訳である。


また、急成長を続けていくため、人材をリテインし続けていくためにも、採用・育成・評価制度・再配置などの一貫性のある人事システムを再構築していく必要が、このステージの企業には出てくる。経営戦略を具現化するための(経営視点から考えた)人事戦略をつくれる「経営のプロ」人材は、業界にも本当に少なく、激しい取り合い合戦となっている様相である。



5.企業再生のプロ(再生期)

最後になるが、企業再生期についても、引き続き「経営のプロ」人材需要が見込まれる。但し、過去3年くらいに必要とされていた「経営のプロ」人材像と、内容的には変化してきている。

  1. 財務体質改善をするプロ (B/S改善)
  2. コスト削減案を立案し、効率化を徹底するプロ (P/Lのコスト削減)
  3. 本質的な売上増のための抜本的体質改善策の立案+実行のプロ (P/Lの売上高増)


上記の内、1と2については、バイアウトファンド傘下の企業や産業再生機構において、多くの「経営のプロ」人材が輩出されてきている。もちろん絶対的な人数は不足しているのだろうが、実績を持つ経験者も増加傾向にあるといえよう。

一方、全体感でいうと3の再生の現場で根治治療を実行する「経営のプロ」人材は、圧倒的に不足しているようである。産業再生機構の冨山COOが話されているように、再生の局面にある企業の中での外科的手術部分が、上記1・2にあたるとすると、これからの抜本的根治治療をする3の人材こそが、まだまだ必要とされている。

もちろん、再生の現場で3に取り組んでおられる「経営のプロ」人材も出現してきているが、尽力されていることが成果として結実するまでにはある程度のリードタイムが必要である。結果としてこの部分で経験と実績を保有する「経営のプロ」人材は、まだまだ少なく、需給は逼迫しているといえるだろう。


***


「経営のプロ」を必要とする企業ステージそのものは、過去3年とそれほど変化していない。しかしながら、以上で見てきたように、必要とされる「経営のプロ」人材に求められる要素は質的に変化しつつある。

  • 専門的スペシャリスト⇒領域的強みと経営視点をあわせ持つ「経営のプロ」
  • 短期的課題解決⇒永続的成長をしくみ化できる「経営のプロ」
  • カリスマ経営者⇒チーム経営をできる「経営のプロ」

がキーワードではないかと思っており、2007年はこの傾向が益々強まるのではないかと予測する次第である。


グロービス・マネジメント・バンク 
代表取締役 岡島悦子

 

 

▲このページのトップに戻る