司会させていただきました@『小泉純一郎・川口より子 環境を語る』 2007-06-06
6月5日は全世界的な「世界環境デー」。
その前日である、昨6月4日、川口順子参議院議員とのグロービスでの対談やダボス会議などのご縁で、講演会『小泉純一郎・川口より子 環境を語る』 で司会をさせていただいた。
政財界からのご来賓も、全国からの後援者の方々も、沢山のマスコミも駆けつけ、1200人にも上る方々が集まる大盛会だった。
お恥ずかしながら、政界と遠い世界で生きている「政治ド素人」の私は、秘書の方から依頼をいただいた際には、「大ファンの川口先生からのご指名なのでお引き受けしよう」という、非常に安易な気持ちでお引き受けした次第。
だが、期日が近づいてきて、打ち合わせなどさせていただくと、さすがの私にも、だんだんとコトの重大さが見えてきた。この講演会は、川口先生にとって、参議院選挙前の非常に重要な講演会であること。総理退任後、公の場での講演を控えられていた小泉前総理が「川口さんだから」と、退任後初めて講演される公の席であること。1000人以上の方々がご参集されること、等々・・・。
毛の生えた心臓を持つ私も、リハーサルをしてみたところで、さすがに(珍しく)緊張。
「プロの司会者じゃない私を指名されたのだから、ここは素人らしくノビノビやるしかないんじゃないか」などと自分で言い聞かせてみる。しかし、マスコミでしか拝見したことのないような政界の大物の方々から、祝電の山が届くたびに、また心拍数がアップ(涙)。
ところが・・・
開会直前、VIP控え室で、川口先生が小泉前総理とサントリーの佐治社長(川口先生の後援会一七会会長)に、「今日司会をしてくださる岡島さん。岡島さんはダボス会議のYoung Global Leadersで世界の250人の一人に選ばれたんですよ」とご紹介くださった。
小泉前総理が「女性は実にパワフルに活躍しているねぇ」とコメントしてくださり、握手。単純な私は一気にパワーをいただき、とにかく、いらした皆さんが元気になる「楽しい会」になるように私なりに努力しよう、と誓った次第。
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講演会の内容については、各種マスコミにも大きく取り上げられているので、割愛させていただきたい。ここでは、司会をさせていただいたこの機会に考えた「リーダーシップ」について、少しだけエントリーしておきたい。
一つ目は、川口先生のグローバル・リーダーシップ
EUからもアメリカからも、そして中国、インドなどからも日本が「環境先進国」として尊重・尊敬される背景には、京都議定書をまとめ上げる等、数々のタフな国際交渉の場での川口先生のご貢献あってのこと。経済発展と環境配慮の双方の問題解決を成し遂げるチエと実績をお持ちだからこそ、世界から必要とされている。2013年以降の国際的な枠組み作りにおいても、ますます強いイニシアチブを推進されるとのことである。本当に世界で通用するリーダーシップの本質とは何か、を深く考えるヒントをいただけた。
二つ目は、小泉前総理の人を魅了する力(チャーム)
20分という短い時間ではあったものの、小泉前総理は「弱みを強みにする政策をとるべき」という強いメッセージを繰り返し発信しておられた。資源のない国=日本だからこそ、それを逆手にとって環境大国へ。本当にメッセージがわかりやすく、伝わりやすい。ユーモアを交えながら、時にストレートに、一方では事例や喩えをちりばめながら、同じメッセージを送り続ける。そのわかりやすさとチャーミングさに、ついつい皆、引き込まれる・・・
トークがうまいとかコミュニケーション能力が高い、とかというレベルの話ではない。わかりやすいシンプルな強いメッセージを繰り返し投げかけることで、人の心は動き、モチベートされるのだな、と小泉前総理の3メートルくらいの距離で体感して、心から実感した次第。
三つ目は、アカウンタビリティー
川口先生は、この講演会で初めて、ご自身が「ギラン・バレー症候群」という難病であることを明かされた。そしてこの病気が克服可能な病気であること、実際に克服された川崎重工の田崎会長からも激励の一言もいただきながら、真摯にご自身の想い、そして病気を克服し益々政治の世界でリーダーシップを取られる熱意をお持ちであること、を皆さんに宣言されておられた。
正しいアカウンタビリティーを持ち、多くの人から応援され、益々リーダーシップを発揮する。ここにも、リーダーシップの本質を見たような気がしている。
今回は、政治の世界とは遠いところにいる私が、二人の素晴らしい真のリーダーに、身近に触れる機会を持たせていただく、という本当に素晴らしい経験をさせていただいた、と心から感謝している次第である。
グロービス・マネジメント・バンク
代表取締役 岡島悦子